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記事2002年12月3日 1874号 (1面) 
一日中教審(公聴会)東京で開催
郷土・国愛する心などで賛否
教育作る権利求める意見も
 新しい時代にふさわしい教育基本法の在り方や今後、五年間の重点施策を盛り込む教育振興基本計画の在り方を検討している中央教育審議会(鳥居泰彦会長)は十一月十四日、審議の「中間報告」をまとめたが、その中間報告について国民から直接意見を聞く「一日中央教育審議会」(公聴会)の第一回が十一月三十日、東京・江東区の東京ビックサイトで開かれた。一日中教審は今後、秋田、福島、京都、福岡の四会場で開催される。
 東京会場は、警察官が警備する中での開催となったが、終盤は教育基本法改正反対を叫ぶ怒号がやまず、鳥居会長の発言ができないといった場面も見られた。
 この日、意見発表を行ったのは、当初の予定(六人)を上回る十人(高校教師や医師、主婦、会社員、塾講師など)で、それぞれ八分の持ち時間で意見発表を行った。
 意見発表では、郷土や国を愛する心、伝統、文化の尊重、家庭教育の充実といった中教審提言に対する賛否についての意見が多く聞かれた。「教育基本法は改正する必要はない。実現こそ図られるべきだ。公権力は教育の内容や方法に介入すべきではない」とする意見があった一方で、「日本人としての教育がおろそかにされてきた」「日本人なのに日本について語れないのは恥ずかしい」との意見が聞かれた。
 また国が教育内容を決め、教育実践の自由度が低いとして、教育を作る権利「教育への権利」を求める意見、宗教教育をタブー視せず、宗教的素養を大事にすることの必要性を指摘する意見、新しいタイプの学校に期待する意見、教育への民間活力の導入、株式会社の参入、寄付しやすい環境整備の重要性を指摘する意見、男女共同参画社会の考え方が進むと、男女別学教育が排除される恐れがあると指摘する意見などが聞かれた。このほか、PTAが校長を決めているアメリカの公立小学校の事例なども報告された。私立学校教育についての発言は聞かれなかった。
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