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記事2002年12月3日 1874号 (8面) 
早稲田理工学部「MSDNアカデミックアライアンス」の活用
マイクロソフト社が提供
グループでライセンス共有を
研究、開発体制に合致
 大手ソフトウエアベンダーであるマイクロソフト社(本社=東京都渋谷区)では情報技術者、開発者の育成を目的として、同社のソフトウエア製品のライセンスを大学の学科や研究室に所属する教員・学生のグループで共有できるプログラム「MSDN アカデミック アライアンス」を提供しているが、早稲田大学理工学部情報学科の山名研究室では、同プログラムを活用して研究成果を挙げている。
 山名研究室で「MSDNアカデミック アライアンス」を活用する背景には、研究・開発の体制が大学構内という限定された空間から、自宅などの学外空間まで広がったことと併行して、ライセンスの主たる対象が教員のみならず院生・学部生にまで広げる必要が生じたこと、UnixOSに加え、企業での利用需要が高いWindowsを利用した開発環境へ学生の研究ニーズが変化していることなどがある。
 その点で対象となる学科・研究室に所属する教員と学生全員が使用でき、研究室のみならず自宅のパソコンまで包括的なライセンスの対象となる「MSDN アカデミック アライアンス」は現在の研究・開発体制に合致したものといえる。
 同研究室は山名早人助教授をはじめ大学院生十人、学部生十五人で構成されるが、学部生を含めた十六人全員が「MSDN アカデミック アライアンス」によって提供される最新のソフトウエアを活用して研究・開発活動を行っている。
 特に院生の堀井洋君が携わっている研究は、マイクロソフト社のソフトウエアを使用するパソコンの個別ユーザーが利用時に感じる「体感速度」を予測する「体感速度予測ソフトウエア」の開発を行うもので、IPA(財団法人情報処理振興事業協会)の「未踏ソフトウエア創造事業」にも採択されており、大変に専門性の高い研究である。
 「MSDNアカデミック アライアンス」は、大学のパソコンはもちろんだが、メンバーの自宅にあるパソコンにも自由にインストールすることができるので、その分ソフトウエアの管理が重要となる。同研究室では自宅で使用するソフトウエアは専用のコピーを一枚のみ作り、インストールが終了した時点で管理者に返却するという厳格なライセンス管理を行っている。
 研究・開発の現場で同アライアンスを利用している山名助教授をはじめとするメンバーは、「ライセンス数に気を使う必要のない点」、「MSDNライブラリーによって検索およびヘルプが参照できる点」、「最新のソフトウエアが自動的に供給されるので常に最新技術を利用できる点」などをメリットとして挙げ、総体として研究・開発への意欲が刺激されると、高い評価を与えている。
 なお、マイクロソフトは、現在四年制の大学のみが対象となっている「MSDN アカデミック アライアンス」を二〇〇三年一月から短期大学、高等専門学校、専門学校にも提供を開始する。
 詳細な情報はウェブページを参照。
 http://www.msdnaa.net/japan/

研究室での山名助教授と堀井君

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