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記事2002年12月23日 1876号 (2面) 
学生生活指導研究会を開く
日短協・担当者対象に
学生満足度高め発展へ
個性豊かな指導確立で講演
 日本私立短期大学協会(川並弘昭会長=聖徳大学短期大学部理事長・学長)は十二月四日から三日間、名古屋市中区の名古屋ガーデンパレスで「平成十四年度学生生活指導担当者研修会」を開催した。全国の短大から約二百人の教職員が参加。きめ細かな学生への指導と助言が学生の満足度を高め、短大の存続と発展につながるとして、「個性豊かな学生指導の確立を目指して」をテーマに、講演、事例発表、グループ別討議が行われた。
 初日、基調講演を行った寺脇研・文化庁文化部長は教育基本法前文に個性豊かな文化の創造を目指すことが教育の目的として明示されていることを指摘。「文化」こそ教育の目的であると強調し、短大の二年間でどういう「文化」を学生に身につけさせられるかがカギになるとした。今後はアドミッション・ポリシーを持つ大学だけが生き残れると指摘。入学者の適格性を厳しく判断し、求める学生像に合致した学生を送り出すことを誠実に行っていけば、進学率はまだ上昇する可能性があると述べた。さらに、日本の大学はWTO(世界貿易機関)の保護貿易主義の下、障壁で守られているとし、「市場」が存在しないため、海外の大学は日本に進出していないが、今後はこうした状況に風穴が開く可能性を指摘。現在、高校卒業後、海外の大学に進学する高校生が見過ごせない数になっていること、初等中等教育のカリキュラム改革が進み、英語で講義を受講できるレベルの学生が増えてくれば日本でも「市場」が成立することを挙げ、どのような大学が選ばれる大学となるか、各大学が誇るべき「文化」とは何か、問い直すべきだと強調した。
 事例発表は三氏が行った。高橋節子・郡山女子大学短期大学部家庭寮生活指導主任は、三棟ある同大学の家庭寮(学生寮)の特色、組織、運営などについて発表。規則正しい集団生活を通し、家政学の理論を実践に移す場として、高い成果を上げているとした。幸田和也・聖徳大学短期大学部学生センター課長はオリエンテーションを中心とした学生指導の実際について発表。入学直後の新入生オリエンテーションでは二年生が学生委員として、新入生の世話を行っていること、大学生になったことを自覚させ、節度ある生活態度と主体的な学習態度を育成する目的で基礎ゼミを開講していることなどを報告した。片山ひとみ・名古屋芸術大学短期大学部教務学生課長は多様化する学生支援の現状について発表。クラブ・同好会などの課外活動には補助金を配分し、加入率アップに努めていること、学生相談室を開設し、学生が抱える心の問題に対応していることを報告した。
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