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記事2002年12月23日 1876号 (8面) 
ユニーク教育 (114) ―― 奈良大学附属高等学校
「努力が天才なり」を校訓に
コース選択制により効果的学習

武田校長

 奈良大学附属高等学校(武田博利校長、奈良県奈良市)は大正十四年、藪内敬次郎氏が「努力が天才なり」を建学の精神に掲げ、夜間部で学ぶ勤労青年のためにと、西の京に南都正強中学校として創設された。昭和二十三年には奈良県正強高等学校を開設、その後、学科などを増設し、平成八年には校舎を現在の秋篠・山稜の地に移転するとともに、校名を奈良大学附属高等学校と改称した。現在でも、「努力が天才なり」の精神は同校の教育方針の重要な柱となっている。
 以来、同校ではカリキュラムについて、特色あるカリキュラム作りをすることと、生徒の目標をできるだけかなえることのできるカリキュラムを作ることを主眼に置いて教育改革を進めてきた。その結果、生徒の多様な進路に対応できる「普通科」、それに「電子科」、「自動車工学科」を設置し、今年度から大学進学の充実を一層図るために、コース選択による効果的な学習を行うことができるように配慮した。
 「普通科」は英語(特進)、文理、および標準の三つのコースを有し、二、三年になると、(1)英語コースはさらに国公立大、難関私大コースに、(2)文理コースは奈良大学、難関私大、有名私大コースに、(3)標準コースは一般私大コースへと六つのコースに分かれる。
 このうち、奈良大学コースは奈良大学の講義の高いレベルの学問に触れさせるシステムを導入することによって、生徒の学習意欲の向上を図り、大学との連携を強化し、進路選択に幅を持たせようという狙いだ。同大学の施設や図書館資料の利用もできる。また英語コースは週七時限授業を実施、八時限目の必須講習も実施している。
 「電子科」は一年次では電子技術に関する基礎・基本的な知識と技術を学習し、二年次から電子情報システムコースと進学コースに分かれ、生徒は希望や適正に応じた進路を目指すことができる。「自動車工学科」は自動車の基礎理論を学習しながら単に整備技術にとどまらず、時代をリードするエンジニアの育成を目指す。特に製図教育はコンピュータを駆使した情報技術教育も取り入れるなど、最新の知識と技術を習得し、そのレベルは全国でもトップレベルにある。
 同校では近年、教師、保護者、中学生を対象に入試説明会を実施、毎年多数の参加者を得ている。
 「秋篠に移転して以来、さまざまな教育改革を行ってきたが、あらゆる方面で成果が少しずつ表れてきている。女子生徒も増えてきたことも成果の一つです。教職員一同が心を一つにし、情熱を持って教育に当たっていることも心強いです」と今西憲司教頭は誇る。
 同校の特徴として、充実したクラブ活動が挙げられる。体育系十六、文化系二十五ものクラブや同好会がある。四百メートルトラック、甲子園球場と同じ広さの野球場、それに六面あるテニスコートが整備されており、本格的なスポーツ施設が整っている。剣道部は男子が十七年連続インターハイに出場し、女子も三年ぶり六度目のインターハイ出場を果たした。柔道部は過去インターハイにも出場しているほどの、同県では屈指の実力を誇っている。バドミントン部はインターハイ、国体で過去全国制覇を果たした実績を持つ。

進路指導はベテランの教諭が担当

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