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記事2002年12月13日 1875号 (1面) 
中高連等三団体が私学振興全国大会
高校等経常費補助満額実現へ
学校選択の自由を
公費支出の公私間格差是正など決議
 日本私立中学高等学校連合会(堀越克明会長=堀越高校長)、日本私立小学校連合会(平野吉三会長=啓明学園理事長)、全国私学父母の会(池田A会長)の三団体は、十二月三日、東京・千代田区の東京都日比谷公会堂で「私学振興全国大会」を開催した。
 この大会は十二月下旬に予定されている来年度政府予算案の編成作業に向けて私学関係概算要求満額実現を与党文教関係議員に要望するためのもの。当日は全国から二千人を超える私学関係者、私立学校の父母らが会場に詰めかけ、学校選択の自由を実質的に保障するため、(1)教育費に対する公費支出の公私間格差是正(2)都道府県私学助成事業に対する国の財源措置の拡充(3)教育費父母負担軽減のための税制上の措置の速やかな実現を政府、国会等に求めた決議を採択した。
 はじめに主催者を代表してあいさつした堀越会長は、「教育には私立と公立が共にあって多様な教育を選択できる自由が法律上は保障されている。しかしその素晴らしい制度は実現に至る仕組みが出来上がっておらず、私立学校と公立学校間での学校選択の自由は実は絵に描いたモチに近い状況となっている。高校でいえば(公私立学校間で)五、六倍の経済的負担の格差があるため、私立学校への進学をあきらめている子供たちも多く、進学しても父母に少なからぬ経済的負担をお願いしているのが現実」などとして、当面の来年度政府予算案編成では私立高等学校等経常費助成費補助金の文部科学省概算要求額(一千五十七億五千万円)の満額計上実現を要請した。
 これに対して、保利耕輔・自由民主党文教制度調査会長は、「人間というものは学問の知識を得るだけでなく、情の面でもいろいろ発達していかなければならない。優しい子供になる。明るい子供になる。その面では私学が一歩先に出ている。特に一千五十七億円余という要求を出しているが、これは絶対に満額いただかなければ日本の教育のためによくないと思っている」として概算要求額の満額実現に向け全力で取り組む考えを強調した。
 また町村信孝・自由民主党文教制度調査会会長代理は、「やっぱりいい私学が伸び伸びとした素晴らしい教育をすることは公立学校のよりよい教育にもつながる。公立も私立も良い意味の競争関係があってこそ、日本の教育が生き生きと蘇ることができるだろうと思っている。そういうことからしても私学が今まで以上に教育をしてもらえるよう私も努力をしていきたいし、また来年の国会には新しい教育基本法をぜひ実現し、(教育基本法の中には)私学の重要性もしっかりと位置づけたい」と語った。

教育改革の最大施策同じ土俵で競争に

 さらに田野瀬良太郎・自由民主党文部科学部会専任部会長は「教育改革の最大の施策の一つは国公私立学校のイコールフィッティング、同じ土俵で競争することだと思うし、日本の教育の大変な活性化につながると信じている」と、河村建夫・文部科学副大臣は、「昨今の議論を見ていると教育が経済効率という考え方で話されているきらいがある。『民でいけることは民で』という話なので、それならもっと私学にも厚い手当てをしていこうという方向でやっていかなければいけない」などと語り、それぞれ私学振興の重要性を力説した。
 この日の振興大会には自民党税調での税制論議の合間を縫って代理を含めて約五十人の国会議員が出席した。

経常費補助の満額計上などを訴える堀越会長

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