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記事2002年12月13日 1875号 (2面) 
日私小連 関東地区私立小教員研修会
新要領の実施など中心に
小澤筑波大学名誉教授、昔話を通し講演
 日本私立小学校連合会(平野吉三会長=啓明学園理事長)は十一月九日、神奈川・片瀬江ノ島の湘南白百合小学校(高橋正子校長)で「第四十四回関東地区私立小学校教員研修会」を開催した。今年度から新学習指導要領が完全実施となったが、これをどのように教育の中に生かしていくかは現場の教員の力量にかかっているとして、参加教員は全体講演、分科会を通して研鑽を積んだ。
 開会式であいさつに立った佐々木道彦・神奈川県私立小学校協会理事長(精華小学校長)は「各校の研究体制は十分整っているが、私立小相互の情報交換・研修が円滑に行われているとは言いがたい。年に一度のこの研修会は絶好のチャンスととらえ、参加者全員が実情、悩みを披露し合い、親ぼくを深めてほしい」と開催の趣旨を述べた。会場校の高橋校長も「多様な社会のニーズに応え、改めて私立小の意味と研修の重要性を感じている。積極的に意見を交換、深める場にしてほしい」と参加教員に呼び掛けた。
 全体講演は小澤俊夫・筑波大学名誉教授が「昔ばなしが語る子どもの姿」と題して話した。昔話研究の第一人者として世界の昔話に通じている小澤名誉教授は、実際にいくつかの昔話の語りを交えつつ、▽主人公を孤立的に語る▽極端に語る▽話の中身を抜いて語る▽同じ場面は同じ言葉で語るといった昔話が持つ特徴を説明した。そのうえで「昔話は民族の記憶として、集合的な知識として伝承的なものを語り伝えてくれる。文明化された日本だからこそ昔話からのメッセージに耳を傾けることが重要である」と指摘。「文学教育、芸術教育の効果はいつ現れてくるか分からない」と、長期的なスパンで教育効果を考えるべきだとした。
 分科会は国語、社会などの教科や学級経営などのテーマごとに十五に分かれ、熱心な研修が進められた。

湘南白百合小での関東地区研修会

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