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記事2002年11月3日 1869号 (2面) 
教育基本法、振興計画を審議 中教審基本問題部会
国や郷土愛する心大切に
いじめ等の半減目標
教育のナショナルミニマム整理求める声も
 中央教育審議会は十月二十四日、東京・港区内のホテルで第十六回基本問題部会を開催した。この日の部会では、「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」と題する中間報告案が初めて提示され、審議が行われた。前回の基本問題部会での中間報告素案に関する話し合いが土台となったものだ。
 中間報告案は、「はじめに」「序章」「第一章教育の課題と今後の教育の基本的方向について」「第二章 新しい時代にふさわしい教育基本法の在り方について」「第三章 教育振興基本計画について」から構成されており、全体で約五十ページ。
 このうち教育基本法の見直しの視点や方向では、焦点となっている「『公』に関する国民共通の規範の再構築」や日本人のアイデンティティー(伝統、文化の尊重、郷土や国を愛する心)の視点に関しては、国民が偏狭な愛国心を連想しないよう、前回、「公」としていた表現を、互恵の精神に基づき国際社会が直面するさまざまな課題の解決等に積極的に貢献しようという新たな「公共」に改めたほか、国を愛する心を大切にすることやわが国の伝統、文化を尊重することが、国家至上主義的考え方や全体主義的なものになってはならないことは言うまでもないと説明している。
 また教育振興基本計画に関しては、国民がイメージをつかみやすいよう、初めて政策目標例を示した。そこでは、「いじめ、暴力行為の『五年間で半減』を目指し、安心して勉強できる学習環境づくりを推進する。また不登校等の大幅な減少を目指し、受け入れのための体制づくりを推進する」「小中一貫、幼小一貫など弾力的な学校種間連携等を積極的に推進する」といったように十二の政策目標例が示されている。
 この日の部会では、「教員のところには事務職員、栄養職員なども加えてほしい」「教育のナショナルミニマムをきちんと整理してほしい」「高等教育に関する記述をもっと膨らませてほしい」など具体的記述に関するさまざまな修正意見が出されたが、最終的には文章を修正したうえで十月三十日の総会に部会案として提出することを決めた。
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