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記事2002年11月3日 1869号 (12面) 
教育機関に導入進むe-ラーニング
時間や空間の制約なく学習活動
同期、非同期、複合型3つのタイプ
 教育機関のインターネット接続がごく普通になるなかで、昨年あたりからネットワークを活用して学習活動を行う、いわゆるe―ラーニングを導入する試みが増えてきた。e―ラーニングはいわゆる遠隔授業の一形態であるが、単に離れた地域同士で授業を行うだけでなく、コンピュータのサーバー機能を利用してマルチメディアコンテンツを駆使した多様な機能を持つ点が特徴である。


 e―ラーニングのシステムには、あらかじめ教材コンテンツを準備しておいて時間や空間の制約を受けることなく学習活動ができる「非同期型」、教員と受講者がリアルタイムで情報の交換を行いながら学習を進める「同期型」の二つのタイプが基本としてあるが、双方の機能を兼ね備える複合型もある。e―ラーニング先進国である米国では、国土が広く通学の便が悪いこともあって早くからネットワークを利用した学習が行われてきたが、日本の教育機関においてもさまざまなシステムが導入され始めている。
 大学関係ではシラバスや教材、講義資料などを電子情報化してネットワーク上に載せ、受講の事前準備と事後の反復学習に活用したり、教員と学生、学生同士のディスカッションをいつでも行えるようなシステムが多く利用されている。大学によっては海外に在住している大学院生も対象として運用を行っているケースもある。また、活用の一形態として社会人教育向けの講座をe―ラーニングシステムで運用しているところも多い。
 初等・中等教育機関では家庭と学校をネットワークで結び、課題学習や外国語教育に利用するところも現れている。使用する端末も従来からあるデスクトップだけでなく、最近では携帯電話を利用するようなシステムも出現してきている。
 機能的なメリットとしては、同時に多数の受講者が受講できる点や、時間や空間に制約されることなく学習が可能な点、能力に見合ったスピードで進める点、進ちょく度がただちに客観的に把握できる点、学習履歴を活用した重点学習、反復学習がしやすい点などが挙げられる。また、紙ベースの教材や資料を印刷し配布する必要が減少する、いったん電子化した教材・資料は修正や加工が容易になる、などのメリットにも注目が集まっている。

e-ラーニングで教室以外の場所での                 受講が可能になる


携帯電話を利用するシステムも登場している

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