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記事2002年10月3日 1862号 (1面) 
授業モデル紹介
私情協が情報倫理教育研究集会開く
 私立大学情報教育協会(戸高敏之会長=同志社大学工学部教授)は九月六日、東京・池袋の立教大学池袋キャンパスで「平成十四年度情報倫理教育研究集会」を開催した。今回の研究集会ではウェブサイトにテキスト、スライド、音声などの共通教材を掲載してオンデマンドでの活用を可能にする情報倫理教育の授業モデルが紹介された。
 研究集会の開会に当たって、担当理事の藏下勝行・専修大学ネットワーク情報学部教授は「わが国の大学の情報倫理教育の水準は緒についたばかりで、教員にも十分な準備ができていない」とし、積極的な取り組みを参加者に促した。
 荒木伸怡・立教大学法学部教授は同学部新入生向けに行っている情報倫理講習会の内容について報告。講習会では、インターネット環境の「影」の部分にどのように対応すべきか身につけないまま入学してくる学生に対して、立教大学が経営する最速・高品質なプロバイダー、V‐Campusのユーザーとなるために必要な手続きに始まり、学生が被害者にも加害者にもならないために、パスワード管理やインターネットに個人情報を出さない、インターネット社会は仮想社会ではなく犯罪や不法行為を行わないことなどの指導を徹底しているとした。
 情報倫理教育授業モデルとして、黒葛裕之・関西大学総合情報学部教授が知的財産権について、金子敏夫・東京電機大学総合メディアセンター係長が掲示板・ウェブページへの掲示の危険性について、後藤邦夫・南山大学数理情報学部教授が暗号化の有効性・危険性についてそれぞれ模擬授業を行った。黒葛教授は、著作物は著作者の努力の成果だからその権利を無視して勝手に使うことばできない、利用のためには権利者の許諾を得ることがルールであること、ウェブなどのデジタル著作物は複製が容易だが、権利者に無断で使うことができないことなどを内容とする「授業」を展開した。
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