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記事2002年10月3日 1862号 (2面) 
増える大学と高校の連携
高校教育改革の推進状況 文科省公表
私立高校インターンシップ実施23%に
総合学科設置高校増加傾向
文部科学省はこのほど、国公私立高校の特色ある学校・学科の設置状況や、学校間連携、大学との接続の改善、さらには教育委員会の教育改革への取り組みと、それらの今後の予定等をまとめた報告書『高等学校教育の改革に関する推進状況』を公表した。この報告書は毎年、同省がまとめているもので、今年の報告書は全体で五百五十ページ。


 このうち、特色ある学校・学科の設置では、総合学科を設置する高校が平成九年度以降増加を続けている。平成十四年度現在の設置校数は国公私立合わせて百八十六校。十五年度以降の設置に向け準備が進められている高校も六十六校(公立六十五校、私立一校)に上っている。このうち平成十四年度現在で総合学科を設置している私立高校は二十六校。
 総合学科以外の特色ある学科の設置に関して私立高校(平成十四年度以降設置予定)では、建築システム科、科学技術科、情報経済科、情報メディア科、介護福祉科、環境システム科、国際情報科、情報科学科、情報技術科、美術工芸科、普通科マスター・普通科アドバンスなどが見られた。
 また学校間の連携では、インターンシップを実施している高校は、平成十三年度現在、私立が二二・五%、公立が三八・九%、国立が五〇・〇%という比率。私立高校の学科別実施率では看護科が最も高く七一・二%、次いで農業科が六六・七%、福祉科が五六・八%と続いていた。
 さらに大学、高等専門学校、専修学校等における学修を単位として認定している私立高校は、十三年度までで二十七校、十四年度からは新たに九校、十五年度以降に関しては、複数県の私立高校で大学等の語学講座受講を単位として認定する計画や三週間の海外留学とその事前事後学習を合わせて単位認定する計画、土曜公開講座の単位認定を検討している事例、情報分野での専門学校との連携を計画している学校等が明らかになった。
 単位の認定はないが、大学の科目等履修生、聴講生、公開講座などの制度を活用する高校(国公私立)も増加を続けており、平成十二年度の六十八校から、十三年度には百十三校に拡大、十四年度にはこれに六十四校が加わる予定。
 また大学教員による高校での学校紹介や講義等の実施も増加を続けており、十三年度現在千二百三十校を数え、全国の国公私立高校の二二%に達している。十四年度にはさらに六十一校が増える予定。
 両者とも特に公立高校の取り組みの増加が目立っており、大学等での推薦入試、AO入試が広がる中で、生徒を受け入れる側の大学も、送り出す側の高校も互いにそれぞれの適性や希望等を早くつかみたいとの思惑が背景にありそうだ。
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