こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2002年10月3日号二ュース >> VIEW

記事2002年10月3日 1862号 (9面) 
私学のあるべき姿目標に
藤田氏講演制度を多様化し市場原理推進
東京中高協同私学教研
 東京私立中学高等学校協会(酒井A会長=東京女子学院中学高校長)と東京私学教育研究所(堀一郎所長)はこのほど三日間、神奈川県足柄下郡の“ホテルはつはな”で私学経営研究会(理事長・校長部会)を開催した。「私立学校のあるべき姿」を研究目標に、初日は講演、二日目はパネルディスカッションと分散会、三日目は総合討議を行った。

 初日に行われた講演では、東京大学教育学部の前学部長で現在東京大学大学院教育学研究科教授の藤田英典氏が「新時代の私学の課題・教育改革と私学の役割」の演題で、一九八〇年代以降の教育改革やその問題点を初等中等教育中心に解説した。このうち完全学校週五日制については、「この制度の導入の隠れた最大の理由は、公立の教職員の週休二日制をお金を掛けずに実現するためで、一九八〇年代、年間の労働時間千八百六十時間達成が政府の課題の一つだった。それが、子供を家庭や地域に返してゆとりを与えるためだという「子供のゆとり論」の見当はずれの議論をしてしまったので、以後ゆがんだ議論になってしまった」と語った。教育改革を説明した上で、その方向性として(1)制度を多様化・弾力化・自由化し市場原理を推し進める(2)ゆとりと個性の導入(3)心の教育、道徳教育、奉仕活動の強化を挙げた。
 また、学校選択制、中高一貫校およびコミュニティ・スクールが提起する問題として、「コミュニティ・スクールが制度的に認められれば、中高一貫校(の問題)より大きい影響を及ぼすのではないか」との考えを示した。また学力については、「学力は基礎・基本を徹底的にやり、それに先端をいくような専門的能力を身につける努力をするべきだ」と強調した。(次号で詳報)
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞