こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2002年10月23日号二ュース >> VIEW

記事2002年10月23日 1867号 (3面) 
私大の教育研究充実研究会短大の部 研修福祉会
大学の質保証で新システム構築
設置認可時期前倒し坂東・文科省高等教育企画課長
地域総合科学科、3校から事例発表
私学研修福祉会(P在幸安理事長=日本大学総長)は十月十、十一の両日、東京・市ヶ谷の私学会館で「第二十五回私立大学の教育・研究充実に関する研究会(短期大学の部)」を開催した。初日には坂東久美子・文部科学省高等教育局高等教育企画課長が中央教育審議会の答申「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」を基に講演したほか、来春から「地域総合科学科」を開設する短期大学三校から事例発表があった。


 坂東課長は答申の内容を説明したうえで、この中で提言された(1)専門職大学院制度の創設(2)設置認可制度の見直し(3)大学に対する第三者評価制度の導入(4)違法状態の大学に対する是正を具体化するために、十八日から始まる臨時国会に学校教育法の一部を改正する法律案を提出するとし、(1)(2)(4)については来年四月一日から、(3)については平成十六年四月からの施行を目指しているとした。大学の設置認可についても言及し、現在十二月末に行われている大学の設置認可を、学生募集活動に有利なように認可時期を前倒ししてほしいという大学関係者の要望に配慮して、できれば来年度から十一月中には認可を出せるような体制にしたいと述べた。また、フロアの参加者からの質問に応じ、準学士を学士として位置づけてほしいという短大関係者の要望については、今後、中数審制度部会で議論し、高専、専門学校含め短期高等教育機関全体の在り方を検討していく必要があると述べた。
 「地域総合科学科」の事例発表としては、神立均・呉大学短期大学部学長補佐が多様化するライフスタイル、地域ニーズに対応し、社会人教育環境の整備にも力を入れる「地域情報学科」について報告。坂根康秀・香蘭女子短期大学長は既存の三つの学科のカリキュラムを整理・統合し、総合的な学習から自分の進路を見つけ出す学科として開設する「ライフプランニング総合学科」について報告した。また、浅井幹夫・北海道浅井学園大学短期大学部理事長・学長は「人間総合学科」の開設について短期大学経営の再生の試みとして位置づけ、学習者の興味や目的に合わせた学び方ができる同学科の特徴を話した。さらに、こうした構想を支援する短期大学基準協会の「適格認定」について、坂田正二・同協会副会長が地域総合科学科を適格認定する評価フレーム、評価項目について説明した。
 二日目は「規制撤廃と短期大学の未来」と題するシンポジウムが開かれ、合田隆史・文科省高等教育局大学課長、島田〓子文京学院短期大学理事長・学長、中津井泉・リクルート「カレッジマネジメント」編集長が討議。島田理事長・学長は大学が地方都市の核になるべきだと強調。中津井氏は意識的なマーケティングと広報の重要性を指摘した。合田課長はわが国の第三者評価に資源配分を連動させることについて「予見できる将来、その種のことが実現できるとは思わない」と述べた。

短大の新たな挑戦をテーマに開かれた研究会、終始活発な討議が行われた

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞