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記事2002年10月23日 1867号 (3面) 
関東地区私学教育研究集会開く
公立高校の特色化選抜に危機感
“公私合わせた学校選択の自由必要”
平成十四年度関東地区私学教育研究集会校長研修会千葉大会が、十月十・十一の両日、千葉県成田市内のホテルで開かれ、茨城、栃木、群馬、埼玉、神奈川、千葉の六県の私立高校長ら約百人が、公立高校の入学者選抜を含む特色づくりの問題や、東京私立中学高等学校協会が今年六月、平成十六年度からの実施を決めた「到達度診断テスト」の影響・是非、学校週五日制への対応などを協議、各県の現状について情報交換した。
 このうち公立高校の特色化選抜を中心とする入試改革の動向等に関しては、私立学校の生徒募集に直接影響することから大きな関心事となっており、「(公立入試改革は)何でもありの状況。この流れは止まらない」といった危機感の一方で、「公立高校の特色化は私学の真似が実情」、「公立教育は一般的・普遍的であるべきだ」「公立も私立と変わらぬ危機感を持っている」「(公立学校では)学校選択の自由が日に日に高まっている」といった意見も聞かれた。
 また「入学費用が全然違う。何らかの形で解決が必要だ」「学校選択の自由は公私立合わせた中でできる環境作りが必要」など意見も出され、バウチャー制導入の可能性も報告された。就学人口減少期の中で公立高校の統廃合が進められているが、歩みの遅さ、統廃合に当たって校舎改築等に莫大な公費をつぎ込んでいる実情なども報告された。さらに公立高校改革は、私学関係者を抜きに進められることが少なくないため私学への配慮を求める意見や、反対に委員として加わったばかりに私学側への理解が得られたものとされても困るとの意見も聞かれた。
 一方、東京私立中高協会が実施を予定している「到達度診断テスト」は、絶対評価が実施されている中で、推薦入試等でより客観的に判定できるよう導入されるもの。この問題に関して関東六県の私立中学高校長の代表らは、導入の目的が理解できないといった意見や公立中学校側から客観的に判定できる資料の提供を受けているといった報告、自県の生徒を対象にはしてほしくないといった意見などが聞かれ、この問題では東京私中高協会と今後、協議の機会を持つ必要性を確認した。

公立高校の特色化選抜の実情などが報告された関東地区私学教育研究集会

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