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記事2002年10月23日 1867号 (6面) 
知の祭典 小・中学生が算数・数学の力競う
中村追手門学院小、石坂(開成中)両君が準優勝
算数オリンピックなど3大会
小・中学生が算数・数学の力を競う「知の祭典2002」(算数オリンピック委員会主催)が八月二十六日、東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれ、第十一回算数オリンピック大会・第六回ジュニア算数オリンピック大会・第三回全国中学生数学大会(広中杯)決勝、算数オリンピック十周年記念シンポジウムなどが行われた。私学生はジュニア大会で追手門学院小学校五年の中村恵君、広中杯で開成中学校二年の石坂知樹君が準優勝に輝くなど健闘をみせた。
 「知の祭典」はスポーツやゲームの感覚で数的思考や独創性を競うもので、今年は全国十八都市でのトライアル地区大会を勝ち抜いた合計約五百人が決勝に臨んだ。シンポジウムは「算数・数学の力をつけるには」と題し、講師の広中平祐・京都大学名誉教授(算数オリンピック委員会会長)、古川昭夫・科学的教育グループSEG代表、細水保宏・筑波大学附属小学校教諭らが発言した。
 広中氏は「平等教育で全体水準を高める時代は終わった。豊かさとともに意欲が低下しているため、今後は差異化の教育施策が進むだろう」、古川氏は「分数ができない大学生など学力低下論議では、一部の悪い成績が誇張されすぎている。子供の学力よりも、官僚や政治家の考える力の方が心配だ(笑)」、細水氏は「児童の計算力は落ちているが、考え方や見方は落ちていない。“できる子”が数学を選ばなくなり、考えることが楽しくないという風潮が問題だ」などと語った。質疑応答では「計算の苦手なノーベル賞学者もいるが、代わりに論理的理解力が優れている」(広中氏)など、個人差を意識した指導の必要性が示唆された。
 大会上位入賞の私学生は次の通り(敬称略)。
【算数オリンピック】
▽四位=大蔵康一(聖徳学園小四年)
▽八位=尾ア瑞帆(国立学園小六年)
【ジュニア算数オリンピック】
▽準優勝=中村恵(追手門学院小五年)
▽三位=柳沢浩人(聖徳学園小五年)
【広中杯】
▽準優勝=石坂知樹(開成中二年)
▽三位=岡村晋太郎(白陵中三年)
▽四位=門野政義(灘中二年)

◇問い合わせ先=算数オリンピック事務局 電話03(3371)2655

ジュニア大会で算数の問題に取り組む児童

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