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記事2002年10月23日 1867号 (7面) 
新校長インタビュー (65) ―― 京華女子中学校・高等学校
校長 廣瀬 和昭氏
自立した女性の育成
生徒の自立性尊重し指導


京華女子中学校・高等学校(廣瀬和昭校長、東京都文京区)は百余年前、創立者磯江潤氏によって、西欧文化を見据えた質の高い教育を志して創立された。その精神は現在も受け継がれているが、廣瀬校長は「基本的には生徒一人ひとりの持ち味を発揮できるような人格教育を目指しています。女子生徒を育てるにはどんな教育がふさわしいかを常に考えています」と説明する。教育方針は「二十一世紀に活躍できる自立した女性の育成」だ。同校が目指す「自立」には、「女性が一生を送るとき、職業観を十代のころから持っていると、生きていく中でふりかかる様々な苦難にも、しっかり立ち向かっていける勇気と自信が身に付く」という意味が込められている。この考えは同校の教育カリキュラムのきめ細かい生徒指導に生かされている。
 生徒会活動では、つとめて生徒の自主性に任せて、決めている。教職員は一歩引いて、ヒントを与え、フォローするだけだ。生徒は悩んだり、失敗をしたりするが、この過程が大切だ。
 「例えば、球技大会の打ち合わせでも生徒たちは議論し、お互いの役割を調整しています。大会が終われば苦労しながら達成できた感動が大きくなるのです。責任感、信頼感が生徒同士、生徒と教職員の間で出来上がるのです」
 学校、生徒そして家庭の三位一体重視は「家庭学習報告書」「交換ノート」によく表れている。「家庭学習報告書」は家庭学習の時間、内容、方法などを自分なりに反省し、担任とのコミュニケーションを図るために記入は毎日実施されている。「交換ノート」は生徒たちが考えていること、興味、自分自身の悩みなどを担任と考えるために行われている。勉強の動機付けをしっかりさせることが、将来の職業観を植えつけるために必要との認識のもとに、「キャリアプランニング」は女性としての生き方、将来の職業について考えさせる目的で、卒業生を本校に呼んで講演を聴く機会を設けている。
 「教員は教える立場であっても生徒たちから学ぶところが大きい。生徒は日々成長していますので、教員が様々な工夫をしていかなければ生徒が納得できるような指導はできません。重要なことは、一人ひとりの生徒が考えていることをわれわれが共有することで、指導の判断が的確にできるようになります」と、廣瀬校長は生徒一人ひとりの考えを大切にする。
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