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記事2002年10月23日 1867号 (7面) 
各地で振興大会、研修会、私学展
華やかに私学の特性アピール
5県の父母らが団結し広島大会 教育費、施設補助決議
中国地区中学高校父母の会

第二十七回中国地区私立中学高等学校父母の会広島大会が九月十四日、広島市のアステールプラザで開催された。主催は山口、島根、鳥取、岡山、広島の各県のPTAや父母の会などからなる中国地区私立中学高等学校PTA連絡協議会、それに全国の私立小・中・高校父母の会などが後援した。

 大会では、上田宗嗣・同連絡協議会長、二宮義人・日本私立中学高等学校連合会副会長(広陵学園理事長)が、特色ある教育を行っている私学を高く評価し、今後とも一層私学教育のために頑張るとあいさつした。また、池田隆・全国父母の会会長は平成十四年度の私学助成予算などの説明を行った。
 祝辞では藤田雄山・広島県知事が、私学が建学の精神に沿って、独自の教育方針に基づいて個性豊かな教育を実践していることを評価、「学校と家庭の連絡強化を図りながら、私学ならではの特色を十分発揮してほしい」とあいさつした。
 大会では(1)私立学校振興助成法の目的に沿った国庫補助制度の堅持充実と保護者の教育負担の軽減、私立学校施設整備関係補助制度の充実を図ること(2)公・私立学校教育の役割分担の適正化を図るとともに、教育改革の実施に当たって公・私立学校共存の原則が確立されるよう適切な措置をとることの二点を決議した。
 また、記念講演では「動物からのメッセージ」と題して山ア泰・愛媛県立とべ動物園名誉園長が講演、その中で山ア園長は「何事も感動、興味、工夫、健康、恋心を持って行い、自分だったらどう行動するかを考えてほしい」と語った。
 学習発表では、山中学園如水館中学校の舞台芸術グループが発表、大会に華を添えた。

東京私学展に47,000人
千葉私学フェアに6,200人


 東京私立中学高等学校協会(酒井A会長=東京女子学院中学高校長)、東京私立初等学校協会(平野吉三会長=啓明学園理事長)および東京私立学校教育振興会(加納弘理事長)は八月二十四、二十五の両日、東京・有楽町の東京国際フォーラム展示ホールで「2002東京都私立学校展進学相談会」を開催した。
 初日、朝早くから会場を取り巻くほどの列ができ、二日間で約四万七千人の受験生や保護者らが訪れた。この相談会には東京の私立中学・高校四百十九校、私立小学校五十二校が参加し、会場は熱気に包まれた二日間となった。
 開場前の開会式で酒井会長は「各校の建学の精神を生かし、もう一度、(教育の)原点に戻って日本の教育のために、人材を育成していかなければならない」と教職員に呼びかけた。
 東京都生活文化局の中澤正明・私学部長は東京の私学が公教育に果たしている役割を高く評価し、「二十一世紀を担う人材育成のために東京の私学の力を必要としている」とあいさつした。
 会場は男子校、女子校、共学校のゾーンに分かれ、各校ブースで相談に当たっていた。小学校はパネルや制服の展示を行っていた。

 また「2002千葉県私学フェア」(千葉県私立中学高等学校協会=上野国彦会長=千葉商科大学付属高校長・主催、千葉県・千葉市など後援)が九月二十二日、来年中学・高校を受験する児童・生徒や保護者ら約六千二百人が集まり、千葉市の幕張メッセの国際会議場で開催された。
 同県内にある私立高校五十六校、私立中学校二十二校、小学校八校が一堂に会し、それぞれ建学の精神の下に特色ある教育をアピールするフェアは、毎回好評を得ている。受け付けでは十五年度入試の日程表、「学校案内」などが配布されていた。
 会場は展示コーナーと相談コーナーに分かれており、展示コーナーではパネルが展示され、相談コーナーでは個別に保護者らが相談していた。

今後の教育振興策 理事長、校長が公私立間公費格差解消へ
神奈川中高協

 神奈川県私立中学高等学校協会(堀井基章理事長=堀井学園理事長)は八月二十七、二十八の両日、神奈川県・箱根のホテルで理事長・校長研修会を開催し、講演と懇親会が行われた。
 「今後の神奈川私学の振興を考える」をテーマに、初日には二つの講演が行われた。このうち、堀井理事長は神奈川私学の今後の振興について講演、最近の神奈川私学の現状などについて報告した。
 堀井理事長は、神奈川県が経常費補助の高校生の一人当たりの単価で四年連続最下位になっていることについて、「現在、補助率が四七・七%だが、五〇%になっても一人当たり単価が二十九万円弱になる。なぜ、このくらいになるのか」と疑問を呈した。また、公私連絡協議会において、県内公立中学校卒業者の、来年度における公私間での受け入れ分担につき、協議がまとまらないのではないかと疑問を呈しながら、「公私共存(の姿勢)でなければならない。最終的には私学(が貢献してきた)歴史をどのように考えているのかに行き着く。今後は政治的な力も視野に入れて考えていきたい」と意気込みを示した。また、「学校選択の自由、教育機会の均等をめざして」と題して、大阪府私立中学高等学校連合会の釜谷行蔵会長は、(1)私学は子供やその親のニーズをくみ取ることが大事であること(2)建学の精神を理解してもらうこと、この二つの面を統合していくことが、私学の経営として重要だと指摘した。学費の格差と公費支出の格差とは別であるとの認識の下に「学費格差を是正することは行政が私学の学費をコントロールすることになってしまうので是正する必要はない」とする一方で、「公費支出については、公立高校の生徒に支出している税金をなぜ、私学に出せないのかという問題だ」と解説した。私学は、最終的には(1)意識改革と団結(2)世論形成(3)政治力という総力戦が必要になってくると言及した。
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