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記事2002年1月3日 号 (1面) 
大学のカリキュラム改革状況
文科省調査
482校が科目区分見直し
授業評価、厳格な成績評価も
 平成三年の大学設置基準改正以来、各大学ではカリキュラム改革に取り組んでいるが、五百八校千百八十六学部が十二年度までに、科目区分や必修・選択科目の見直しなど、カリキュラム改革を実施していることが、このほど文部科学省が発表した調査結果で明らかになった。また、授業の質を高めるために学生による授業評価を実施したり、厳格な成績評価(GPA制度)を導入する大学も増えていることが分かった。
 各大学が実施しているカリキュラム改革の内容を見てみると、科目区分の見直し(四百八十二校)、卒業要件単位数の見直し(三百八十四校)、必修・選択の見直し(三百六十五校)など。教養教育に関してもさまざまな取り組みが行われているが、情報活用能力の育成(五百四十五校)、学際的・総合的内容(五百三十八校)、心身の健康に関する科目(五百十七校)を開設している大学が多い。外国語で授業を行っている大学は二百三十四校で、このうち私立大学は百五十校。情報化への対応も進んでいる。国公私立大学四百七十六校(七四%)で情報処理教育を必修化しており、六百三十九校で専用の教室を設置している。高校での履修の多様化に伴い、補習授業の実施など高校の履修状況に配慮した取り組みを行う大学も年々増加しており、平成十二年では、三百五十五校六百六学部が実施している。
 授業の質を高めるための具体的取り組みとしては、シラバスを作成している大学が六百三十九校と約九八%を占めた。また、シラバスなどで授業方法・計画とともに成績評価基準を明示したうえで、厳格な成績評価を行うことが求められているが、現在、アメリカで一般に行われている成績評価方法であるGPA制度を導入している大学が六十九校あった。
 ティーチング・アシスタント(TA)の活用は、九年度は四万千百九十九人だったものが、十一年度には五万二千二百六十二人にまで増加した。学生による授業評価の実施も十年度には三百三十四校だったが、十二年度には四百五十一校にまで増えている。
 単位互換により他大学での履修を認められた学生が一万三千七百八十七人(十一年度)、編入学した学生が一万八千三十一人(十二年度)といずれも過年度より増えており、「開かれた大学」に向けた取り組みの成果がうかがえる。自己点検・評価は平成十二年十月現在で五百九十六校が実施しており、このうち四百八十一校が結果を公表している。外部評価は国立大学八十二校、公立大学二十校、私立大学百十五校で実施。結果の公表はそれぞれ七十八校、七校、五十二校が行っている。
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