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記事2001年9月3日 22号 (7面) 
新校長インタビュー (34) ―― 京北中学・高等学校・京北商業高等学校
校長 川合 正氏
知識の修得と共に人間性を
“21世紀の教育は京北から”
 京北中学・高校(東京都文京区)および京北商業高校
(同、平成十四年度から京北学園白山高校と改名)の川合正校長は、学祖井上円了の高邁な教育理念を現代に、そして未来に向けて、具現化に取り組んでいる。
 「学祖の教育理念は(1)一般の人々が哲学を学ぶことによって、物の見方、考え方を修得する必要があること(2)大衆が教育を受けることが人間づくりの根本であることが基本となっている」
 知識の修得と同時に人間性を磨こうというのが、その基本にある。
 その教育理念の下に、今年度から「(1)今、京北から始まる大きな一歩(2)二十一世紀の教育は京北から」という大きなテーマを掲げた。
 “大きな一歩”は、すでに、川合校長が教頭時代から踏み出している。学校教育は何をおいても実践こそが大切であるという思いは特に公開授業、研究授業などの授業重視に表れている。昨年教育学を学ぶ、千葉大学と東京大学の大学院生三十人ほどを招き、午前中は中学全学年の公開授業、午後は同校の授業を題材に大学院生と意見交換を行った。これは「楽しく、学びの多い授業、そして質を高める授業を目指す」(川合校長)のが狙いだ。
 また、近々「授業はなぜ、面白いか」をテーマに、京北商業高校で千葉大学の教授に公開授業を行ってもらうことになっている。
 実践教育による成果は随所に確実に表れた。同校の中学三年生が他校の女子中学生との間で行った「短歌を使ってのコミュニケーションの授業」が、一昨年第四十八回読売教育賞「最優秀賞」を受賞、昨年実施された第十五回「東書教育賞」では「自尊心を育てる授業」が優秀賞を受賞した。
 そして、今年第一回日経STOCKリーグでは、インターネットを利用した仮想の株式投資のコンテストで、京北商業高校が東京大学、一橋大学などの並み居る大学や高校を抑えて最優秀賞に輝いた。
 川合校長は「私学は存在理由がなければならない。多くのものを吸収して、社会に還元する必要がある」と、水泳、剣道、ミニバスケットボールのスポーツや公開講演会などを通して、地域の住民との交流も積極的に深めている。
 現在、川合校長は中学・高校・商業高校などのロングホームルームを利用して、「コミュニケーション」の公開授業も担当している。
 「入学する生徒が楽しく知識や考え方を身につけ、自分で判断し、希望する進路の一つ上へ進むことができる学力を付けさせたい」と意欲的だ。

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