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記事2001年9月23日 24号 (9面) 
埼玉、茨城県私学が研究大会
新しい教育の創造を探求
埼玉私中高協 同教育研究所
教職員の意識改革
教育システムの改善求めて


 埼玉県私立中学高等学校協会(松ア洋右会長=大宮開成高校理事長・校長)と埼玉県私学教育研究所(川端幹雄所長)は八月二十八日、埼玉県さいたま市の出雲会館と大宮開成高校を会場に第六回埼玉私学教育研究大会を開いた。
 この研究大会は講演、分科会および全体会を通して教職員の資質の向上を図るとともに、各校の教職員が交流を行うために毎年開かれている。
 大会に先立ち、松zア会長は私学が市場原理に基づく厳しい立場にあることを前提に、(1)教職員の意識改革(2)新しい教育創造の促進(3)学校の持つ閉鎖性・独善性の排除(4)学校の財源の中長期的・徹底的な見直しの四点を提唱し、「新しい教育システムが必要だ」とあいさつした。
 川端所長は研究大会につき「都立高校の改革についての講演と、それに今年の研究大会で立ち上げたIT研究会にシフトさせた」と運営方針を説明した。
 開会式に続いて行われた講演会では、前東京都立日比谷高校長で現在、財団法人日本修学旅行協会理事長の河上一雄氏が「東京都立高校の挑戦」と題して記念講演を行った。河上氏は東京都の教育改革の変遷を解説しながら、「東京都の場合、私学の経営努力が実っている」と現状を語った。また日比谷高校の改革に触れ、「入試問題にスクールカラーを出し、こういう子供をほしいという構想で独自の入試問題を作った」と振り返り、都立高校に競争原理の導入の必要性を述べた。
 午後からは、募集対策研究会・IT研究会、副校長・教頭、進学指導、生徒指導、英語教育、学校保健・学校カウンセリング、理科教育に分かれ分科会が行われた。
 このうち、募集対策研究会・IT研究会では、進学データシステムの忠哲也氏の「来年度入試の展望」と題した講演と、加倉井憲一・獨協埼玉高校教諭からIT研究会の活動報告などが行われた。この中で加倉井教諭はITを使ってどのように生徒募集につなげていくかが重要だと指摘した。

茨城県私学協
キーワードは改革と断行を強調
管理職の能力焦点に協議


 茨城県私学協会(鈴木洋一会長=水戸女子高校名誉校長)は八月二十一、二十二の両日、茨城県・水戸市のホテルレイクビュー水戸で茨城県私学教職員研修会を実施、会場には百十九人の教職員が集まった。
 この研修会では「特色ある私学教育の推進を目指し、教職員の資質向上を図る」ことを目的とするもの。教頭、事務長の両管理職部会、および生徒指導部会は毎年実施されていたが、今年度から学習指導部会も設けられた。
 初日は開会式、基調講演、部会研修および教育懇談会が行われ、二日目は台風のため午後の日程をなくし、予定を繰り上げ各部会研究協議を行った。
 「教育の自由化の中での『私学』」の演題で基調講演を行った財団法人日本私学教育研究所の山路進・主任研究員は、講演の中で今後は改革と断行がキーワードとなるとし、「建学の精神に基づいた私学教育の創造が求められている」と語った。
 管理職部会・教頭研修では「二十一世紀に期待される管理職の能力とは」と題し、石川環境システム研究所の石川昌平代表が講演し、続いて初任者教諭に対する指導方法、新学習指導要領に対する取り組み方と進ちょく状況、保健室登校の生徒への対応、および部活動関係などについて研究協議した。
 管理職部会・事務長研修では石川氏の講演後、クラブ・コーチ、十四年度週休二日制の導入状況、授業料等納付金滞納者に対する取り扱い、生徒にかかわる損害賠償責任保険、教職員の勤務時間管理、および成績証明書・卒業証明書の発行事務などについて各学校の実情の発表とそれに対し研究協議した。
 生徒指導部会では「今の生徒とどう接するか」と題し、全国教育文化研究所の家本芳郎所長が講演した。その後、教育相談と基本的生活習慣のそれぞれの分科会に分かれ研究協議した。
 学習指導部会では、「新しい私学カリキュラムのデザイン」と題した山路主任研究員の講演後、新学習指導要領による新教育課程への取り組み方、模擬試験の活用、土曜日の各学校の学習活動などについて研究討議を行った。
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