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記事2001年9月23日 24号 (2面) 
サイバーキャンパステーマに
大学短大関係者440人が参加、私情協大会
 「サイバーキャンパスに向けて」をテーマに、私立大学情報教育協会(戸高敏之会長=同志社大学工学部教授)は九月十一日から三日間、東京・市ヶ谷の私学会館で「第十五回私情協大会」を開催した。全国の大学・短期大学、賛助会員企業から約四百四十人が参加。講演や事例紹介を通して、サイバーキャンパスに向けた取り組みを進める大学や、授業へのIT導入の先端的試みを行う大学の姿が明らかになった。
 初日午前は石井威望・東京大学名誉教授、不破泰・信州大学工学部助教授、辻正重・青山学院大学副学長の三氏が講演。総務省IT推進有識者会議座長でもある石井氏は、わが国が五年以内に世界最先端のIT国家になるという目標を掲げた「e―japan戦略」に基づき、今年二月、具体的行動計画を定めた「e―japan重点計画」も策定され、国としての大きな枠組みが決まったとし、ITを採り入れた教育を私立大学がいかに行うかが課題だとした。
 不破氏は信州大学で二〇〇二年に開設することを決めたインターネット大学院(工学研究科情報工学専攻)について講演。この大学院ではウェブ技術を活用したCAIシステムによる教育コンテンツ講義が中心となるが、学生の学習理解度を調べるテストの成績結果から、通常の講義よりCAIの講義の方が理解度が高く、講義を途中でリタイヤする学生も少ないことが明らかになったと報告した。
 辻氏は青山学院大学が二〇〇三年に開校を予定している相模原新キャンパス(仮称)の概要について講演。同キャンパスは高度情報型キャンパスを志向しており、フレッシュマンの3I(Informational,International,Intelligent)教育に力を入れていくと述べ、情報科学研究センターによる新しい講習会形式の集中教育方式の採用などの新しい試みを導入する予定だとした。
 大会三日目の午前には授業へのIT導入の先端的試みが四つの大学から紹介された。このうち千葉経済大学短期大学部の江上邦博講師はコンピュータ教室で実施している講義、実習授業に対して、チャット環境を用いることによって授業改善を試みたことを報告した。

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