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記事2001年9月23日 24号 (1面) 
世界最高水準大学
対象機関に5年間経費配分
文科省プログラム骨格案
 文部科学省は六月に発表した大学の構造改革プランの中で国公私立を問わずトップ30の大学を世界最高水準の大学に引き上げる重点投資を行うとの方針を打ち出していたが、このほど同省がまとめた「世界最高水準の大学づくりプログラム」の骨格案で、その全体計画が明らかになった。
 現在、中央教育審議会大学分科会と科学技術・学術審議会学術分科会の合同の大学連絡会で審議中。今後、分野構成、評価指標、審査委員会の構成、評価の仕組みなどについて検討、公募要項案を策定にこぎ着ける。いまのところ、来年一月には準備委員会を発足させ、各大学に公募要項を提示する予定。
 同プログラム骨格案の全体計画によれば、学問分野を十分野に分け、第一フェーズとして、二年計画で十分野をカバー。初年度は五分野を対象とし、各分野三十専攻程度を選定、二年間で十分野三百専攻程度を選定する。
 対象機関には五年間継続して経費を配分するが、二年目に中間評価を行い、一部入れ替える。六年目にも入れ替えを実施する。第二フェーズでは、分野の拡大(見直し)や経費の充実を検討する。
 経費は「構造改革要求」の四百二十二億円(五分野×三十専攻×平均二・八億円=四百二十億円。選定に掛かる事務費二億円。計四百二十二億円)を充てる。
 分野構成は人文、社会科学から自然科学までの学問分野を、生命科学、医学系、数学・物理学、化学・地球科学、情報・電気・電子、機械・材料、土木・建築・その他工学、人文科学、社会科学、学際・その他の十分野に構成。分野をまたがるものについては適切に配慮する。各大学が申請するに当たっては、どの分野での審査を希望するかを申告する。
 評価の視点としては、(1)教育研究活動実績についての客観的な評価指標として考えられるもの。具体的には▽研究成果の発表状況▽所属する教員の研究水準▽教員選考の状況▽競争的資金の獲得状況▽産業界との連携▽学生に対する教育の状況など。(2)申請大学からの将来構想およびその実現のための計画(この経費によってどのように世界最高水準の成果を目指すのか)。この(1)(2)の評価に当たっては、大学評価・学位授与機構が調査・収集したデータや評価手法に関する研究成果を活用する。内外のレフェリーによる評価や専攻修了者の意見も活用。評価基準および評価結果は公開する。
 評価に基づいて選定された専攻に、その専攻から示された計画に基づき、年度当たり一〜五億円程度、必要な教育研究費や人件費、設備費などを重点的に措置する。使途として考えられるものとしては、世界のトップレベルの大学との共同研究の実施に要する経費、世界トップレベルの研究者の招へいに要する経費、最先端の研究を推進するために必要な設備の購入に要する経費など。
 選定された専攻には、国立学校特別会計や私学助成など、既存の予算も活用して支援を強化する方針。

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