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記事2001年8月3日 20号 (1面) 
教員養成の開放堅持
私大団体連、日短協とも強く主張
中教審養成部会
 中央教育審議会初等中等教育分科会の教員養成部会は七月十九日、東京・竹橋のKKRホテル東京で第六回会合を開き、今後の教員免許制度の在り方について十団体から意見聴取を行った。私学団体からは、日本私立大学団体連合会、日本私立短期大学協会がそれぞれ意見を発表、両団体とも教員養成の開放性の堅持を強く主張した。免許制度の総合化・弾力化をめぐっては、私大団体連が「基本的に理解し、賛成」するが「学校種(一貫性)に配慮しつつ、さらに十分な検討が必要」との立場を表明、日短協は否定的な見解を示した。 
 私大団体連からは吉田辰雄・東洋大学文学部教授、赤坂雄一・日本私立大学団体連合会事務局長らが、日短協からは山内昭人・香蘭女子短期大学理事長、三神敬子・山梨学院短期大学長が意見発表に臨んだ。私大団体連を代表して吉田氏は、開放性の原則堅持と並んで、大学における教員養成の改善はこれまで数回にわたる改革の結果、教職カリキュラムが肥大化し、学生の負担は限界に達しているとして、養成現場における負担増は必要最低限にとどめるべきだと基本的な在り方を述べた。そのうえで、教員免許制度の弾力化については(1)現行以上に教職専門科目数を配置することは困難(2)専門性の強化との整合性を図るべきだ(3)現行の専修・一種・二種の各免許と総合化・弾力化との関係を明確にすべきだと指摘した。教員免許更新制の導入については、現状の制度との比較検討を行ったうえで、導入の可能性について具体的に考えるべきだとした。また、非現職の免許保持者に対しては、出身大学などで再教育を行う用意があると述べた。
 日短協を代表して意見を述べた山内氏は、特に現在の幼稚園制度は採用比率からいっても短大卒業者によって支えられていることなどを挙げ、短大における教員養成の必要性を強調した。そのうえで、免許制度の総合化・弾力化については、それぞれの学校の教育課程はそのままにして、免許だけを変更しても成果は望めない、と指摘。免許更新制については、現職教員に限れば何らかの意味での更新制は必要だとして、任期制と併用し、任期中、問題がない教員については採用を更新するという方法が現実的であるとした。また、補足意見として三神氏は、責任が重く、厳しい肉体労働を伴った職務内容を引き受けて、今日の教育現場を支えているのは短大卒の二種免許保持者だと指摘。短大進学を限界としている学生教職への道を閉ざしてはならないと訴えた。

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