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記事2001年8月3日 20号 (1面) 
バウチャー導入でレポート
活力ある経済構造構築へ前向き評価
内閣府
 経済戦略会議や経済財政諮問会議など政府の複数の政策立案機関でバウチャー制度導入が論議される中、内閣府は七月六日、「バウチャーについてその概念と諸外国の経験」と題するレポートをまとめた。このレポートは、活力ある経済構造を構築するため、政府の守備範囲を徹底的に見直し、政府でしかできず費用対効果の高い政策に特化していくことが重要との観点から、政策目的の実現のために支給される補助金に、市場の特性である「選択」と「競争」の要素を加えることができるバウチャー制度に関して、その定義や設計、諸外国における分野別動向、保育バウチャーの具体的導入事例などをまとめたもの。このうち教育分野に関しては、初等中等教育の場合、アメリカ、カナダの一部、イギリス、オランダ、スウェーデン、ニュージーランド、ポーランドなどで導入されているとしており、米国ミルウォーキー市では貧困層で私立学校を希望する生徒に公立学校の生徒一人当たり州補助金と同額のバウチャーが交付されており、クリーブランド市でも低所得者から抽選で交付対象者を選び、私立学校の学費の九〇%(上限あり)の補助がされている。わが国の県レベルで行われている私立高校授業料の負担軽減措置も一種のバウチャーととらえている。
 他の補助手段との比較では、政府による直接供給は、民間が参入可能な分野ならば好ましくなく、政府による直接供給と民間機関への補助が共存する場合、公立と私立の競争条件がどの程度同等であるかが重要となる、と指摘している。ただし民間機関への補助は政府による直接供給よりは優れているが、需要の強い機関が補助金を多く受け取るという仕組みがなければ選択の自由が競争につながる可能性は乏しいなどと説明している。

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