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記事2001年8月13日 21号 (9面) 
新校長インタビュー (33) ―― 日本大学豊山中学校・高等学校
校長 山崎 道夫氏
中学校から大学まで一貫
進路も本人の気持ち尊重


 今年の四月から日本大学豊山中学校・高校の校長に就任した山崎道夫氏。山崎校長は昭和四十四年、日本大学豊山女子高校に奉職、当時女子校としてはユニークな理数科の設置、さらには中学校の開設に携わった。
 「素晴らしい人物を育成することが我々の務めです。中学一年生から高校三年生まで、スポーツに勉強に全力を尽くす生徒が目標です」と笑顔で応える。
 日本大学豊山中学校・高校は、平成十二年三月に「強く 正しく 大らかに」を校訓として制定した。この校訓の下に、二十一世紀の社会で活躍できる有為な人物の育成を目標にしている。
 旧制豊山中学校から数えて九十八年、日本大学の付属高校として四十七年の歴史を重ね、約八〇%の生徒が同大学に進学している。山崎校長は「日本大学の付属として、中・高・大一貫教育を通し、大学の一層の発展に寄与したい」と熱く語る。
 女子校時代の医・歯・薬・獣医方面への進学実績と同様、男子生徒にかける期待への強い意思が感じられた。それだけに、生活指導の面では厳しい。規律正しい学校生活の中から責任ある行動を自覚することができるようにと、節度ある生活習慣と知性豊かな人物の育成に力を注いでいる。
 山崎校長には、かつて学年でトップクラスの実力のある生徒の進学指導で失敗した苦い経験がある。
 「進路選択に当たって最も大切なのは、本人の第一希望の達成にあります。その気持ちを尊重し、自らの将来のために絶対に必要となる学力を付けることが、今の私に課せられた大きな課題です」
 昼休み、小さな訪問者が校長室にやってくる。山崎校長の楽しいひとときだ。
 「校長先生、入ってもよろしいでしょうか」
 中学一、二年生が校庭でボール遊びをしているうちにボールが校長室前のテラスに飛び込む。そのボールを取るためには生徒が廊下から許可を求めるのだ。なかには、すっかり顔なじみになった生徒もいる。
 交わす言葉は二言、三言だが純真な生徒たちの心が校長の心の中に飛び込んでいく。山崎校長はこれが「豊山の宝であり、教師冥利に尽きる」と言う。
 読書が趣味の一つという山崎校長が感銘を受けた本はドイツの哲学者シュペングラーの書いた『西欧の没落』。今、読んでいる本では塩野七生さんの『ローマ人の物語』という。

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