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記事2001年8月13日 21号 (3面) 
子どもの体力向上策
5人の委員が意見発表
 中央教育審議会のスポーツ・青少年分科会は八月九日、東京・霞が関の霞ヶ関東京曾舘で第四回会合を開き、子どもの体力向上のための総合的な方策について、同分科会の五人の委員から意見を聴取した。意見を述べたのは村上とも子、佐藤高弘、斉藤敏一、西田善夫、岡島成行の各委員。幼児の体力は幼稚園での遊びの中でつくられていくとして、幼稚園の環境整備への支援を求める意見や、スポーツ少年団活動を核とした地域スポーツクラブづくりの必要性を指摘する意見などが出された。
 文京区立第一幼稚園長を務める村上委員は、さまざまな身体を動かす経験を通して、幼児が積極的に遊ぶようにすることが体力向上につながっていくと指摘し、同園で取り組んでいるさまざまな実践を紹介。そのうえで、今後の課題として、幼児の興味や発達に沿って援助できる教師の資質向上を図るために、実技研修を充実させていくこと、幼稚園が地域の親子にとって安心して遊べる場になるために、より一層幼稚園の環境を整備すること、の二点を挙げた。
 蕨市スポーツ少年団副本部長の佐藤委員は、地域のスポーツ少年団が少子化などによる団員の減少といった課題を抱えながらも、生涯を通してスポーツに楽しむ、スポーツの「生活化」に大きな役割を果たしていると述べた。
 今後の活動の展望としては、スポーツ少年団を核とした、地域スポーツクラブづくりに取り組んでいくとし、国からの財政支援も求めた。
 自然体験活動推進協議会の代表理事である岡島委員は、自然体験活動の普及・促進に取り組む同協議会の活動を紹介し、青少年の自然離れが基礎体力の低下を招いていると指摘。自然体験活動は体力づくりばかりでなく、青少年に命の尊厳や自立する心を学ばせるためにも有効であると述べた。
 このほか、日本フィットネス産業協会会長の斉藤委員は民間スポーツクラブで幼児から中学生までを対象にしたジュニアプログラムに積極的に取り組んでいると述べた。また横浜国際競技場長の西田委員はスポーツ参加意欲の向上に競技施設が役立つなどと述べた。

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