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記事2001年8月13日 21号 (3面) 
コンピュータ活用のユニーク教育
ソフト教材の体験研究など40件
 私立大学情報教育協会(戸高敏之会長=同志社大学工学部教授)は七月七日、東京・市ヶ谷の私学会館で「第九回情報教育方法研究発表会」を開催、全国の大学・短期大学から約百五十人の教員が参加した。コンピュータ、ネットワークを利用した教育効果の高いユニークな教育システム、ソフトウエア教材などの体験研究など、四十件の発表があった。
 このうち岡山理科大学の大西壮一氏は無線LANによるキャンパス内「どこでも学習」基盤の構築について発表。これは同大学のキャンパス内における遠隔講義の実現を試みたもので、転送速度一一Mbpsの高速二・四GHz帯無線LANの基地局をキャンパス内十六カ所に設置した。一年生の必修科目である情報処理入門で自作のウェブ教材を使用してパソコン実習を伴う遠隔講義を行ったところ成功。受講した学生の評価も高かったとした。
 南大阪大学の松崎光弘氏はフレキシブルネットワークによる授業展開の試みについて発表。この研究の目的は、情報処理関連科目以外でのネットワークの活用が今後ますます重要になってくるとして、そのために限られたネットワーク資源を有効活用し、必要な授業に必要な資源を割り当てられる環境づくりをしなければならないというもの。可般式サーバー(サーバー機能を持たせたノートパソコン)を導入し、教室内のLANを学内LANから切り離すことで、大学全体でのネットワーク資源の有効活用を検討した。OSとしてリナックス(VineLinux2.0)を組み込んだノートパソコンを用意し、このサーバーにDHCP機能とDNS機能を持たせ、ウェブサーバーを稼働させることによって、学生が各自のノートパソコンの設定を変えることなく実習環境に接続できるように工夫したとの報告を行った。
 玉川大学の和高慶夫氏は中国からの留学生支援のために開発したウェブ教材について発表した。システムの概要は、青字の日本語で基本的な項目を提示し、これに対応した語を赤字の中国語で並列表示するというもの。ウィンドウズのパソコンでインターネットに接続しており、かつ中国語(簡体字フォント)がインストールされていれば、ブラウザーで見ることができる。日本語の教育ではなく、コンピュータの基本操作のサポートを目的とした教材だが、今後予想される留学生の増加に対応して、語句の充実などに努めることが今後の課題であるとした。

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