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記事2001年8月13日 21号 (2面) 
図書館業務の外部委託で調査
日短協図書館研究委
製本、コンピュータメンテナンスなど
大半の短大が評価
 日本私立短期大学協会(川並弘昭会長=聖徳大学短期大学部理事長・学長)の図書館研究委員会はこのほど、図書館業務の外部委託(アウトソーシング)に関する調査の結果を中間報告という形で発表した。この調査は従来、図書館員が行ってきた業務について外部委託を行ったことがあるか、また、それによって図書館員の業務負担の軽減は可能なのかを探ったもの。回答のあった短大図書館のほとんどが何らかの業務を外部委託しており、件数としては「図書の製本」「コンピュータのメンテナンス」などが多かった。
 調査は昨年十二月、日短協加盟校四百七十二校を対象に行われ、うち四百二十四校から回答を得た。
 何らかの図書館業務を外部委託していた短大は三百九十二校。外部委託業務のうち最も件数が多かったのは「図書の製本」で二百九十七件。以下「コンピュータのメンテナンス」(二百三十四件)、「清掃委託」(二百二十五件)、「空調設備のメンテナンス」(二百十二件)、「コンピュータシステムの開発」(百七十件)、「書誌データの入力(遡及書誌データベースの作成を含む)」(百六十九件)の順で多かった。
 外部委託による効果については、図書館業務の集中化が図られる(二百四十一校)、図書館業務の軽減化が図られる(三百三十一校)と大半の短大が肯定的で、業務のスピード化の面でも二百九十六校がスピード化が図られると回答した。コストの削減については、削減が図られないとする回答が二百四十校で、図られると回答した百二十六校を上回るという結果だった。
 外部委託による業務の評価としては、よかったと回答した短大が二百五十七校。よくなかったという短大は二十四校のみで、大半が外部委託による業務を評価している。
 外部委託の評価に関する自由記述では、外部委託を肯定的にとらえるものとして「専任職員は図書館の専門的な業務に集中できる」「職員数の増が難しいため、一部外部委託することにより、業務の軽減化が図れる」「図書館専門業務以外のことは外注した方が効率がよい。図書館サービス業務におけるサービスの層が厚くなる」などが代表的な意見だった。一方、これを否定的にみる意見としては「作業が正確でない場合、その修正作業が必要となるなど弊害もあった」「委託する内容によっては準備や点検のためにかえって手間がかかるという場合がある」「館の事情を十分に考慮した業務を行ってくれるとは限らない」といった意見があった。

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