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全私学新聞

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記事2001年7月3日 17号 (7面) 
国民が期待している私学教育
高等教育の8割を私大担う
全私大経常費補助は東大と同額
補助率は現在11.9%に特別補助で活性化推進
50年に一千億円に

 一方、大学等に関しては、高校等が昭和四十五年度から地方交付税措置によって各都道府県の私学助成に対する財政措置が設けられていたのと時を同じくして、昭和四十五年度から補助措置がスタートした。初年度の額は百三十二億円だった。その後、昭和五十年度に私立学校振興助成法が制定され、同年度には補助額が一千七億円に到達、その後は高校等と同様、何度かの減額措置を受けたものの、私学がわが国の高等教育の約八割を占めているということなどから、最近では補助額も順調に伸び、平成十三年度には三千百四十二億五千万円に達した。

かつては30%近く

過去最高額ではあるが、私立学校振興助成法が目標とする経常経費の二分の一助成にはなお遠く、補助率は一一・九%という状況だ。過去三〇%近くまで補助率が上昇したこともあったが、今では私立学校振興助成法が制定される以前の補助率水準でこの法律が制定された趣旨を再確認して一層の充実が求められている。
 私立の大学、短大、高専を合わせて約千校への経常費補助額三千億円強は、東京大学一校の予算額とほぼ同額と言われている。国公立大学にあっては、独立行政法人化や民営化、民間の経営手法を取り入れる動きの中で、常に存続の危機にさらされている私立大学等のように一層効率的な運用が望まれている。
 私立大学等経常費補助金には、学生数や教員数などを基礎に配分される一般補助と社会的要請の強い特色ある教育研究の実施状況に応じて配分される特別補助があり、最近では一般補助は据え置き、特別補助が増額といった傾向で、私立大学等の活性化を加速させている。

国私格差1・7倍

学納金に関しては、こうした私学助成や学生数の増加期(十八歳人口の増加と大学等志願率の上昇)から、私学振興助成法が制定される以前のように大幅な引き上げはなくなり、しかも国立大学が学費の引き上げを行ってきたため、高校のように約六倍という格差には開いておらず、平成十二年度で大学(学部・昼間部)で一・七倍の格差にとどまり、ここ数年は安定傾向だ。昭和五十一年度はその格差が三・一倍だったことを考えると、私学助成が学生らの負担軽減に貢献していることが分かる。

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