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記事2001年7月23日 19号 (2面) 
マルチメディアの効果的活用の授業
私情協・短大部門検討会議
改善への事例発表
徳山、夙川、青葉など5短大が報告
 私立大学情報教育協会(戸高敏之会長=同志社大学工学部教授)は六月二十三日、大阪府茨木市の追手門学院大学で「第九回短期大学部門検討会議」を開催、各分野の専門の授業にマルチメディアをどのように採り入れると授業改善に効果的かを探った。短大五校から情報機器を活用した授業を実践している教員が取り組みを報告した。
 このうち、徳山女子短期大学の田中数恵氏はインターネットを活用した英語習得と異文化理解を目指した授業について報告。授業は四つのプロジェクトから成っているが、この中の一つ、キーパル・プロジェクトは田中氏が学生一人ずつに紹介する外国人キーパル(文通相手)と英語で電子メールを交換するプロジェクト。コンピュータを介しながらも、人と人との直接コミュニケーションを可能にしたことが語学教育でインターネットを活用する最も大きな利点である、とした。
 夙川学院短期大学の橘喬子氏はコンピュータを利用したファッションデザイン実習の事例を報告。この実習はアパレル商品企画の展開やプロモーションのためにコンピュータの活用やショー形式のプレゼンテーション能力を習得させるのがねらい。企業に協力を依頼し、三次元ファッションショーの動画制作ソフトを使って、マネキンがショーへの出品作品を着てウオーキングしている画像を作成した。出品作品はデザイン画審査で入選した学生の作品。ショーではこのバーチャルファッションをスクリーンに写し、次にダンサーに実物の作品を着て登場してもらうという演出を行った。企業からはバーチャル・ファッションのクリエーターを育ててほしいとの要望もあると述べた。
 青葉学園短期大学の宮本美登里氏はインタラクティブなネットワーク教材の活用の実際について報告した。同短大では、多人数の学生が同時に利用できる高速ネットワークと学内サーバー・コンピュータ、学外との高速アクセスが可能なサーバー・コンピュータ(リナックス)を導入。家政系の専門科目でもコンピュータを活用して問題解決を図る、より専門的な情報処理教育を目指している。
 ネットワーク教材の提示・作成システム「Webベース学習支援ツール」を作成し、教員がブラウザーの操作だけでインタラクティブな教材を作成し、それをデータベースとして一元管理でき、さらに学生が自学自習できる仕組みを構築。教材を学内で一元管理しているため、修正・追加が容易で、テスト問題、配布資料の作成にかかわる教員の負担を大幅に軽減できると、このシステムのメリットを説明した。
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