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記事2001年7月23日 19号 (1面) 
安全管理で緊急対策例提示
文科省が殺傷事件対応
財政支援措置も明示
私学は経常費補助で対応


 先月、大阪教育大学附属池田小学校で起きた児童殺傷事件を受けて政府や各地方自治体では緊急の安全点検や安全管理対策が進められているが、文部科学省は七月十日付で各都道府県教育委員会総務担当課長と私立学校主管課長に、「幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理に関する緊急対策例」(別掲)を送付、合わせて緊急対策に対する同省と総務省による財政支援措置を明らかにした。私立学校に関しては、平成十三年度私立高等学校等経常費助成費補助金で手当てされる。

 今回、文部科学省が示した「幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理に関する緊急対策例」は、全国で実施されている具体例のうち多かったものをリストアップしたもの。大きく分けて(1)来訪者への対応等(2)施設設備の点検整備(3)安全管理の徹底(4)幼児児童生徒への対応(5)保護者・地域・関係団体(PTA、自治体、青少年教育団体等)との連携(6)警察や消防署などの関係機関との連携の六項目からなる。この中では、来訪者の受け付け・声かけによる身元確認や学校警備員・監視員等の配置など二十九項目の具体的対策例が盛り込まれており、これを参考にして、地域の実情や学校等の具体的状況に応じた対応を要請している。
 一方、学校のこうした取り組みに対する財政支援に関しては、私立学校の場合、平成十三年度私立高等学校等経常費助成費補助金によって措置される。
 具体的には、都道府県が私立学校の安全管理に関する取り組みを支援する補助金を出した場合、同省では都道府県に対する同補助の補助単価の増額を行うことにしている。現行では該当する補助項目がないため、早急に同補助金の交付要綱を改正し、各都道府県に通知する。その後、各都道府県の補助事業の状況を調査、補助事業規模を把握する。今回の緊急対策はあくまで今年度限りのもので、来年度以降に関しては、同省でそのあり方が検討されており、必要な対策が平成十四年度概算要求に盛り込まれる予定。
 公立学校の場合は、特別交付税と地方債によって対応することにしており、緊急対策例にある対策を講じる場合の財政的裏付けはとられている。
 都道府県でも対応策が進められており、東京都では通報装置(銀行に設置されているようなもの。警視庁につながり、警官が駆けつける)が、幼稚園から中学校までの学校に公私を問わず設置される。私学の場合、その他の対応策などは今後の課題。また埼玉県では各学校の取り組みをまとめた事例集(リーフレット)を発行、また幼稚園に関しては、県の学事課長と私立幼稚園団体の代表が県警本部などを訪ね、幼稚園周辺のパトロール等を要請、連携が今後拡大していく。このほか私学に限らず防犯ブザーや防犯灯などを設置した市町村に県から補助金が出される。さらに大阪府では現在、私立学校の取り組み状況を調査しており、近々、方針を打ち出す予定。

29日に参院選各党とも私学振興に前向き

 第十九回参議院選挙は、いよいよ七月二十九日に投票を迎える。小泉内閣の進める構想改革が大きな争点となり、教育問題はあまりクローズアップされていないが、各党とも教育政策を重点公約等の一つに位置づけている。
 そこで本紙は、主要七政党がインターネット上に公開している教育にかかわる公約や重要政策などを調査し、一覧表にまとめてみた(3面に掲載)。各党とも私学振興には前向き。教育改革等ではユニークな政策も目につく。
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