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記事2001年7月13日 18号 (9面) 
新校長インタビュー (31) ―― 駒場東邦中学校・高等学校
校長 工藤 功悦氏
中高一貫でリーダー育成
総合学習には長い歴史


 駒場東邦中学校・高等学校(東京都世田谷区)の工藤功悦校長は、設立当初からの中高一貫教育についての基本的な方針を語る。
 「本校は戦後の資源のない日本では頭脳の資源化こそ急務であるという考えに基づき、心と体が一番成長する中学・高校の六年間を一つとして中等教育を行い、将来生徒が専門の道に進み、リーダー的存在となるための人材育成を目指して設立された」
 この基本的考え方は同校の特色として、今日にも生かされている。
 教科を超えた総合学習的行事もその歴史は古い。例えば、中学三年の奈良・京都への研究旅行は、同校で作成した冊子を使って、社会科と国語科が中心となって実施される。
 また、中学一年の霧ヶ峰林間学校は理科が中心となり、植物観察等を行うが、地形図の読み方は社会の教師によって行われる。
 中学・高校の一貫した教育の基本的な考え方は変わらないが、時代が変わるとともに生徒たちの希望もさまざまに広がってくる。
 「学校は生徒がどのような方向に進みたいのか、これを見つけ出す手助けをしなければならない。そのためにも六年間の教育をどのように組み立てて指導すべきかを常に検討している」
 学年ごとの授業計画も生徒の理解力を把握し、基礎力の上に高い学力を育成するための努力を積み重ねている。
 そのために、毎週、教科ごとに教科会がもたれ、教育課程の変更や時代の変化に対応するため、教材や授業の進め方を検討している。
 英語や数学、理科実験などで分割授業を行っている。
 「科目の特色によって分割授業をやっているが、すべての教科において少数の教育がよいというのではない。教科によっては多人数で行うことで、生徒個人の特徴が生かされることもある。また、すべてを少人数にすることで、生徒の逃げ場所がなくなることもある。問題は生徒一人ひとりがどの場面でどのように考え、集団の中でどう行動するかで、そうした機会も必要だ」
 また同校では、生徒を中心に教師、父母との三者の結びつきが強く、相互理解と信頼感が活性化の原動力となっている。卒業生の集まりでつくっている邦友会や、卒業生の親の会もあり、それらが一緒になって学校を支えている。PTAの会には絵、コーラス、俳句などのサークルもあり、皆で楽しんでいる。

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