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全私学新聞

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記事2001年7月13日 18号 (2面) 
年度単位修得者に報奨制度
所得限度額引き上げ等要望
全私定協総会研究協議会
 全国私立高等学校定時制連絡協議会(吉澄哲惠会長=綾羽高校常務理事)は、七月六日、東京・市ヶ谷の私学会館別館で総会と研究協議会を開催した。
 総会では、これまでに引き続き平成十三年度も、(1)修学資金貸付制度(修学奨励費)に関して私学分の引き上げ運動を強力に推進するほか、年度単位修得者に対する報奨制度の創設、所得限度額の引き上げを求めていく。また(2)日本私立中学高等学校連合会が文部科学省に予算要望する際、私立定時制に対する特別助成を盛り込むよう働きかける。さらに(3)私立定時制の特殊性にかんがみ、経常費助成の傾斜配分を実現できるよう調査研究を行う。
 これらの事項の実現を図るため(4)「私立定時制高等学校教育振興議員連盟」の支援を得て、私立定時制教育の理解と振興を意図する活動を展開する。
 このうち(1)の修学奨励費は、私立定時制高校生の修学上の経済的負担を軽減することを目的としたもので、高校を卒業すると返還が免除される貸付金。
 平成十三年度の場合、私立定時制高校一年生では月額二万九千円(二年生は二万八千円、三年生は二万六千円、四年生は二万五千円)の貸与額で、公私立高校の教育費負担の格差是正(約八倍)にも大きな役割を果たしている。
 しかし中途退学した場合は返還の義務が生じ、例えば一年生から三年生までの単位を修得していても四年生で退学すると、一年生からの修学奨励費全額を返還しなければいけない。
 平成十二年度現在、修学奨励費を返還した年度単位修得者は九十四人で全貸与者の一六・〇%に達している。返還した年度修得者の割合は二年前の三倍に増えており、勤労学生の場合、勤務年数とともに給与が上がり所得限度額にかかり修学奨励費の対象外となってしまうこととともに、私立の定時制高校生にとって大きな障害となっている。
 こうした実情を行政関係者はもとより、国会関係者にも広く理解してもらうために、今年度は定時制振興議員連盟への議員の参加を積極的に働きかけていく方針だ。総会後は宮崎県の小林西高校の地元医師会と協力した定時制衛生看護科(准看護婦養成)の連携教育の現状が報告された。

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