こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2001年7月13日号二ュース >> VIEW

記事2001年7月13日 18号 (2面) 
5年一貫移行等めぐり討議
教育研究充実に重点
全私衛看協総会・研究協議
 全国私立衛生看護科高等学校協会(佐藤仁作会長=会津杏林学園高校長)は六月二十二日、東京・市ヶ谷の私学会館で総会を開き、平成十三年度の事業計画等を決めたほか、平成十四年度から高校衛生看護科が専攻科と接続して五年一貫の看護婦養成課程に切り替わることなどに伴う課題について研究協議を行った。大橋泰久・国立教育政策研究所教育課程調査官が指導助言役を務めた。
 高校衛生看護科は、平成十一年末の「保健婦助産婦看護婦学校養成所指定規則」の一部改正で准看護婦養成課程の教育時間が大幅に増やされるとともに、専攻科と接続した五年一貫の看護婦養成課程が新設された。平成十四年度からは、大きく分けて五年一貫の看護婦養成課程に移行する学校、准看護婦養成を継続する学校、資格取得を目的としない看護教育を行う学校に分かれることになる。
 そのため平成十三年度、同協会では前年度に引き続いて、これらの学校集団ごとに教育の充実・振興対策を進めるほか、新たに研究協議会の実施を明確に事業計画に盛り込んだ。今年度は十二月上旬に開催の予定。
 また准看護婦学校をめぐる一連の制度改正が一段落したため、事業の中核をこれまでの制度改正への対応から学科の経営・運営や教育研究面の充実にシフトする方針だ。このほか今年度は、これまで通り衛生看護科・専攻科設置高校に対する特別助成実現のための研究と要望、看護系大学・短期大学への進学に関する要望を続けていく。

看護婦養成課程の名称
専攻科へ進学の入学金でも討議

 総会に続く研究協議では、五年一貫の看護婦養成課程の名称をどうするのか、五年一貫課程で高校を卒業し、専攻科に進学する際、徴収する入学金はどんな名称がよいか、五年課程の四年、五年生の制服をどうするか、五年課程へ移行する学校に特別助成を出している県はないか、五年課程で三年修了時に他学科の生徒とともに卒業式に出席させるのかなどの疑問点などが次々と出された。五年一貫課程等への移行は初めてのことで、明快な答えや方針などは出されず学校によっても考え方に違いがあるようだ。
 また大橋調査官からは、指定申請に関して、「いくつかの学校には事前に申請を出してもらい、文部科学省も事務方として“練習”をさせてもらいたい。そのため要請のあった学校は協力してほしい」との要請があり、また施設設備の整備に関しては、「産振補助から許すかぎり補助金を出していきたい」と語った。さらに看護臨床実習中に生徒が感染するなどの事故に遭わないよう学校と病院とで指導基準を定め、安全管理計画を検討してほしいと要請した。このほか五年一貫課程から大学への編入学実現を求める声があることに佐藤会長は、「専門学校が認められたから、ニーズがあるからだけで通らない。きちんとした合理的な理由を持たないとだめ」と語り、十分な研究の必要性を強調した。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞