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記事2001年7月13日 18号 (1面) 
私大志願者9年ぶり増加
13年度私大・短大の入学志願動向
私学事業団調査結果
定員割れ短大減少
入試の多様化、教育充実が成果

 今春の私立大学の入学志願者数が九年ぶりに増加したことが日本私立学校振興・共済事業団(國岡昭夫理事長)の行った調査で明らかになった。私立短期大学は前年度より志願者数は減ったものの、ここ数年で最も低い減少率だった。この調査は同事業団が今年四月から五月にかけて実施した学校法人基礎調査を基に、志願者、入学者などに関する集計結果を速報としてまとめたもの。
 調査結果によると、今年度、私立大学は十二年度より二十二校増えて四百九十三校に。志願者数は二百八十九万九千五百二十人で、前年度より七万六千六百九十三人(二・七%)の増加となった。志願者数が増加に転じたのは九年ぶり。入学者数は四十七万七千二百六十五人で前年度の四十七万二千十一人より五千二百五十四人(一・一%)の増加。入学定員充足率は一一三・七%で、前年度と同率。同事業団私学活性化促進支援センターでは、入試形態の多様化、教育内容の充実に向けた取り組みの成果などが志願者の増加、入学定員充足率の維持につながったのではないか、と分析している。しかし、定員充足率が一〇〇%未満の大学は百四十九校と前年度より十八校増加。志願倍率が二倍未満の大学も前年度から三十七校増え、百四十八校となっている。入学定員充足率を学部系統別に見てみると(1)家政(一一九・四%)(2)福祉(一一八・九%)(3)経済(一一四・四%)の順で多かった。
 一方、私立短期大学は今年度四百四十九校。前年度より十一校減った。志願者数は二十一万九百七十四人で前年度より三万二百四十七人(一二・五%)の減少。四年度をピークに毎年減少を続けているが、減少幅はここ数年で最も小さかった。教育内容の充実への取り組みや広報・学生募集活動の成果などが実を結んだのではないかと、同センターではみている。
 入学者数は十二万三百三十七人で、前年度より一万三百九十四人(八・〇%)の減少。入学定員充足率も九二・三%から九一・六%へとわずかに減ったが、入学定員が一〇〇%以上の短大は前年度より十校増えて二百三校に、一〇〇%未満という短大は逆に二十一校減り、二百四十六校となった。学科別では、教育系(入学定員充足率一二三・七%、志願倍率二・三八倍)、看護・保健系(同一一〇・二%、同三・四九倍)、福祉系(同一〇二・〇%、同一・四七倍)が比較的高い入学定員充足率と志願倍率とを示した。
 また、歩留まり率が九〇%以上の短大が百四十六校と、前年度より三十三校増え、さまざまな学生確保策の成果が表われている。
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