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記事2001年6月23日 16号 (7面) 
新校長インタビュー (29) ―― 順心女子学園中学校・高等学校
校長 久保田 武氏
学力水準の底上げ
中高一貫教育の長所活用


 「私立は公立とは違った意味で大変だ。失敗は許されないから」と、順心女子学園中学校・高等学校(東京都港区)の久保田武校長は語り始めた。
 久保田校長は都立高校教員、教頭、校長、シンガポールの日本人学校副校長を歴任した後、大学講師を経て、この四月に同校の校長に就任した。都立高校では現場の教職員とともに率先して学校改革に取り組んだ。
 「本校を他の私学の中で、存在理由のある、特色ある学校にしていきたい。それには、授業面、部活動を含めた生活指導面、そして教職員も生徒の目線に立って、情操教育の育成に努めていきたい」と抱負を語る。
 久保田校長の二〇〇二年に向けての構想は決まっている。
 (1)ホームルーム定員を原則三十人とし、習熟度学習と選択学習を組み合わせて授業を五―二十人前後で行う(2)中学・高校とも週三十五時間授業体制を実施し、学力水準の底上げと中高一貫体制の長所を活用する(3)高校のコース制と三年の三学期の学習体制、および中学・高校の入学内定者への事前学習を一層整備することなどだ。
 「夏休みまでに具体的な対策を考えて、実行に移していく」
 現在、久保田校長は女子生徒を理解するために授業を受けもっている。中学一―三年までは道徳を、高校三年の選択では地理を教えている。
 「道徳の授業ではしばしば感想文を書かせているが、生徒の良いところを見つけつつ添削をして返却している」と意欲的だ。
 都立高校やシンガポールでの教員時代には中学校を回った経験があるが、「今までやってきたことは身に付いているが、それを頭においてやるとまずいと思っている。常に白紙の状態で取り組んでいきたい。女子中学・高校では一年生という気持ちを大切にする」と初心を忘れない。
 「今の教育界にとって最も欠けていることは国家目標を教育の中に取り込み、教育の目標、勉強の目標を個人ベースより一段と高いレベルに引き上げる、言うならば教育の目標に大黒柱を据え付けることだ」と提言し、さらに「日本の教育が世界のモデルになり、外国からの留学生が殺到するという日の到来を教育目標の柱の一つに掲げ、ぜひ実現させたいという」のが久保田校長の夢だ。

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