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記事2001年6月23日 16号 (2面) 
大学経営の未来像テーマに
国公私大の役割・機能明確に
経営セミナー
 「大学経営の未来像競争環境下の差別戦略」をテーマにした、大学経営トップセミナーが六月八日、東京・お茶の水の三井海上火災保険株式会社本社ホールで開かれ、講演した本間政雄・京都大学事務局長は、今後、国公私立大学三者の役割・機能分担を明確にしていくことが必要であるとの認識を示した。
 セミナーは丸善株式会社が主催。私立大学・短期大学の理事長・学長らが集まった。
 本間氏は、国立大学は各分野の人材養成、基礎研究を中心とした学術研究の推進、教育機会の均等の実現、地方文化への寄与という四つの機能を担っているが、その機能は果たして十全に果たされてきたのか、と問いかけ、法人化への移行を待たずに、「税金立」の大学として本来、果たすべき機能・役割に特化する方向で改革を行うべきだ、と指摘した。
 国立大学附属幼稚園や小学校などは今後、税金を使ってまで維持していく必要があるのか、と疑問を呈し、私立大学には比較的コストの掛かる分野で貢献するなど、国家的・社会的期待や持てるリソースなどを踏まえ、自らの進むべき方向を検討すべきだとした。
 私立大学は、特色のある自由闊達な教育・研究活動を追求してきた点にその存在意義があったとし、市場原理を踏まえながらも最も競争力があると思われる分野に特化し、個性を発揮すべきだと指摘。
 私学助成に関してもこれまで私立大学が果たしてきた役割を検証し、私学の自助努力だけでいいのか、社会・経済ニーズの変化に対応でき、私学助成の拡大を正当化できるチェック機能の導入を盛り込んだ、新しい法的フレームワークが必要だと提言した。
 公立大学についても言及し、ここ数年、公立大学数が増加しているとしながら、官民の役割分担の中でその役割を再検証しなければならない、と述べた。

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