こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2001年6月23日号二ュース >> VIEW

記事2001年6月23日 16号 (1面) 
大学の構造改革プラン発表
国公私立トップ30大学を世界水準に
文科省
 文部科学省は六月十一日、大学が変わることで日本経済を活性化させようという構造改革プランをまとめ、遠山敦子文科相が経済財政諮問会議で発表した。二十一世紀を担う人材をつくり出すために、日本の大学を国際競争力のある世界最高水準の大学にしようというのがねらい。そのための具体的プランをまとめたもので、競争と評価を通じて国公私立を問わずトップ30の大学を世界最高水準にまで引き上げることなどを打ち出している。
 このプランでは大学評価・学位授与機構のような専門家と民間人が参画する第三者評価システムが行った評価の結果を社会に公開し、その結果によって資金を重点配分するとしている。国公私立を通じた競争的資金も拡充する。大学発の新産業を創出するためのプランとしては、現在年間百件の特許取得を十年後には千五百件に、特許の企業化はTLO関連で現在七十件であるのを五年後には七百件に、「日本版シリコンバレー」を十年後には全国十カ所以上につくるといった目標を立てている。これらを実現させるために、全大学の理工学部にビジネス講座を設けて、起業家を育てたり、「冠講座」「冠奨学金」の大幅に増加させる、発明補償金制度の上限を撤廃することによって研究者の産学連携へのインセンティブを強化する、といった取り組みを挙げている。

大学院に企業人2万人

 このほかのプランとしては、▽大学院に企業人を二万人受け入れる▽大学教員の国際公募を進める▽コミュニティカレッジ、サテライト・キャンパス、社会人向け短期集中プログラムの整備によって「社会人キャリアアップ百万人計画」を推進するなど。
 国立大学についても改革の方針を打ち出しており、再編・統合を大胆に進めるとした。各大学や分野ごとの状況を踏まえ、例えば教員養成系の大学では規模の縮小や地方移管も視野に入れた再編を検討する。医科大学などの単科大学は他大学と統合する、県域を越えた大学・学部間の再編・統合も進めるというスクラップ・アンド・ビルドによって現在の九十九ある国立大学の大幅な削減を目指す。
 また、国立大学に民間的発想の経営手法を採り入れる。附属学校など国立大学の機能の一部を分離独立させ、独立採算制を導入した組織にし、新しい「国立大学法人」に早期に移行させる、という方針だ。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞