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記事2001年6月23日 16号 (1面) 
教育改革3法案 衆議院を通過
会期内に参議院で可決成立へ
飛び入学受け入れ大学に限定
分野広げ学生増も
 私学関係者の関心が最も高かった「学校教育法の一部を改正する法律案」が一部修正のうえ、六月十四日の衆議院本会議で「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案」(修正なし)、「社会教育法の一部を改正する法律案」(修正あり)の二法案とともに可決、同日、参議院に送付された。二法案の修正要求は民主党が提案し、それに与党が乗った形。参議院では文教科学委員会でこの三法案の趣旨説明が行われ、十九日には同委員会で審議され、会期末の六月二十九日までには可決成立する見通しだ。
 学校教育法の一部改正案が衆議院で修正された点は、(1)条文(第十八条の二)中、社会奉仕体験活動との語句の前に「ボランティア活動など」の語句を追加する。(この修正は社会教育法の一部改正案についても行われている)、(2)政府原案では、大学のほか短大、専門学校(法律成立後、省令で対応)についても飛び入学の対象としていたものを、当該分野に関する教育研究が行われている大学院が置かれている、当該分野における特に優れた資質を有する者の育成を図るにふさわしい教育研究上の実績及び指導体制を有する、の二条件に該当する大学に限られることになった。ただし分野に関しては現行の数学、物理から広がることになり、飛び入学生も増加する見通しだ。
 この飛び入学に関して文部科学省では、今後、より細かな規定を盛り込んだ省令を定めたうえで、来年度の学生募集から適用することにしており、これまでのところ同省では飛び入学に関する自己点検・評価を受け入れ校に義務づけて、受け入れ体制の充実を図る考えだ。六月十三日の衆議院の文部科学委員会では、自民党、公明党、民主党、無所属クラブ、保守党による付帯決議が同法案に付けられており、飛び入学に関しては、高校と大学の協議の場の設定、必要な指針等の作成、実施状況の実証的調査研究の継続への特段の配慮を政府側に求めている。
 また地方教育行政法の一部を改正案に関しても、学校教育法一部改正案と同様に付帯決議が付けられており、教員として不適切な人を教職以外に配置換えすることに関しては、恣意的な運用が行われないようにすること、教員の勤務条件改善に努力すること、公立高校の通学区域の弾力化については受験競争を激化させたり、学校間の格差を助長させないよう求めている。

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