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記事2001年6月13日 15号 (2面) 
来年度から新大学評価システム実施
大学基準協会が2002年度から
評価項目を見直し
実地視察の実施など評価プロセスも改革
 大学基準協会(大南正瑛会長=京都橘女子大学長)は五月三十一日、二〇〇二年度から新しい大学評価システムを実施する、と発表した。加盟判定審査は評価項目の精選化を図る一方、相互評価ではこれを充実させる。また、外部有識者の関与を視野に入れた評価体制の見直しや実地視察の実施、異議申し立て審査会の創設といった評価プロセスの見直しも行う。協会内部の組織・機構改革にも着手する。
 加盟判定審査については正会員資格審査に純化、被評価者の負担軽減を図るため、書面審査の主要点検・評価項目を大幅に精選化、簡素化する。相互評価については、書面審査と訪問調査によって、正会員に対して五年後に初回の相互評価を受けることを義務化するとともに、初回を除いて七年を周期として受けなければならない正会員の質を保証するための評価として明確に位置づける。
 評価者はピア・レビューを原則としながら、専門分野に民間研究機関の研究者や各界のオピニオン・リーダーに参加してもらう。さらに「協会あり方検討委員会」はじめ新しく設ける「協会運営協議会」「異議申し立て審議会」にも外部有識者の参加を得る。
 大学評価の単位に関しては、加盟判定審査は従来通り「大学」を一つの申請単位とし、学部、大学院研究科の単独申請は受け付けない。相互評価の場合も「大学」を一つの申請単位とすることを原則とするが、非常に先進的な部局があってその部局だけ他とは切り離して評価を受けたい、といった大学からの特段の理由申請があれば学部、大学院研究科の単位での評価を新しく行う。専門大学院や連合大学院などによる評価申請を受け付ける。
 この新構想の大学評価における点検・評価項目を三つの群に区分し、これらの群を加盟判定審査、相互評価それぞれの評価に対応させる。
 A群は「大学もしくは学部・学科・大学院研究科として具備することが必須不可欠であるもの」。B群は「必須不可欠とは言えないまでも具備することが高度に望まれるもの」。C群は「大学の設置形態、理念・目的などを考慮して、主要点検・評価項目として採用するかどうかの判断を申請者の裁量にゆだねる」というもの。加盟判定審査を申請する大学はA群の項目を基に、相互評価を申請する大学はA群、B群の項目を基に点検・評価報告書を作成。大学基準協会もそうしたおのおのの項目に基づいて評価を行う。
 協会の事務局体制の充実については、大学評価・研究部門の業務を活動目的別に企画・調査研究系と審査・評価系に区分。また、会長を補佐する専務理事職を創設することなども決めた。
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