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記事2001年5月3日 12号 (3面) 
セキュリティー検知・監視システム
私情協が企業と共同で開発へ
内部からの不正使用監視
学内ネット上の多地点に設置
 私立大学情報教育協会(戸高敏之会長=同志社大学工学部教授)は三月二十九日に開いた総会で、これまで開発の検討を進めてきたネットワークセキュリティー検知・監視システムに関する中間報告を行った。私情協では昨年二月に加盟大学におけるネットワーク不正侵入の実情をアンケート調査したところ、三割の大学が不正侵入を受けたと回答。この結果を受け、昨年度は、不正侵入の実態を把握するための検知・監視システムの機能を整理し、大学の実態に即したシステムの基本概念の取りまとめを進めていた。
 中間報告によれば、システムの特徴は、まず、学外からの不正侵入および内部からの不正使用を監視するため、対外接続点、基幹LAN、支線LAN、研究室など、学内ネットワーク上の多地点に設置し、運用できるようにする、としている。第二に、監視の必要が生じた時点でただちに運用するため、機動性に優れていること、第三に、このシステムを多くの私立大学に普及させるため、インストールと機能決定は大学の技術水準にかかわらず、簡単にできること、とした。このほか▽一システムの価格は十〜二十万円程度▽ネットワークの規模、管理者の技術水準に応じ、柔軟な設定、運用ができる▽本体のセキュリティー機能が強力などの特徴を盛り込む。これらの特徴を踏まえ、システムの機能としては、外部から学内LANへのログインの成功・失敗や、学内外からの管理者権限によるログインなどネットワークにアクセスする人を監視するほか、学外からのポートスキャンの実行など、不正侵入の手がかりを探る行為やサーバー機におけるシステムファイル改ざんなどの不正使用、さらに不正侵入や不正使用により生じる通信異常を検出する。また、通信トラフィックの監視・記録、通信異常の管理者への通知なども行う。
 動作環境はMSウィンドウズ、ユニックス、リナックスなど一般的なOS上で動作することとし、対応する通信方式(プロトコル)は学内外のネットワークで広く使用されているTCP/IPとする。
 私情協は昨年十一月、賛助会員(企業)八社からシステムの共同開発に協力するとの回答を得ている。平成十三年度事業計画では、これらの企業の協力を得て利便性の高いモデルを開発することが決まっており、今後、各社の得意分野や技術力を見極め、役割分担など開発体制を整えていく。


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