文部科学省はこのほど平成十二年度地方教育費調査の中間報告を公表した。
　この調査は、平成十一会計年度（以下、十一年度と表記）中に、公立の学校（大学・短大を除く）と都道府県・市町村教育委員会（特別区および事務組合を含む）に支出された学校教育費、社会教育費（体育・文化・文化財保護を含む）、教育行政経費を調べたもの。調査結果によると、十一年度の地方教育費の総額は約十八兆五千三百六十億円で前年度に比べて一・五％減額していた。
　このうち学校教育費の総額は地方教育費全体の八〇・五％に当たる約十四兆九千百二十九億円で、前年度に比べて一・四％の減額となっていた。
　地方教育費は平成八年度をピークに減額傾向をたどっており、学校教育費も同じ傾向を示している。
　約十四兆九千億円の学校教育費を財源別にみると、都道府県支出金が最も多く、全体の五〇・〇％、次いで市町村支出金が二四・五％、国庫補助金が二一・九％を占め、その他の地方債と寄付金は合わせても五％弱。
　公立学校に使われている学校教育費を在学者一人当たりでみると、幼稚園が七十五万千六百二十六円、小学校が八十九万二千二百五十二円、中学校が九十六万二千四百二十三円、盲・聾・養護学校が九百七十五万四千四百四十二円。総額では減少しているが、これらの学校種の在学者一人当たり教育費は〇・六％から一・四％とわずかに増額している。
　高校では、全日制課程が百九万一千八百三十三円、定時制課程が百九十六万二百七十二円、通信制課程が二十二万六千百七十八円で、前年度に比べ二・一％、五・八％、二・一％の減額。
　これに対して専修学校は百五十二万三十五円で前年度比三・三％の増額、各種学校は百十六万二千二百六十二円で前年度比〇・六％の増額。最も変化が大きかったのは高等専門学校で前年度比四二・九％減の二百二十七万千九十五円と大幅ダウンとなっていた。
　公立学校の場合、学校教育に必要な経費のほとんどを公費で賄っていることを考えると、私立学校に比べて公立学校へは三倍から五倍の公費が使われていることになる。