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記事2001年4月3日 9号 (4面) 
インターネットで奨学金申し込み試行開始
日本育英会
奨学金業務のペーパーレス化、簡素化、省力化
「スカラネット」実施
 日本育英会(平山郁夫会長)は平成十四年度から奨学金の申し込みを新たにインターネットを利用した申し込みに切り替える。このため、平成十三年度から奨学金のインターネット申し込み受け付けを試験的に行う。「スカラネット」(仮称)と名づけ、全国の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校(高等課程は除く)を対象に、各五人程度を募る。申し込みは四月十一日から五月下旬まで。高専、専修学校は五月中旬から六月中旬にかけて受け付ける。なお、高校については高校三年生を対象に、大学等に進学後の奨学金の予約採用の申し込みを受け付ける。
 日本育英会では「このシステムは業務のペーパーレス化・簡素化・省力化につながる。時代に対応して情報化の推進が図れる」と、「スカラネット」実施のねらいを話す。奨学金の申し込み方法には大きく、入学前に奨学金を予約する予約採用と、毎年、春に学校で奨学金の募集を行う在学採用の二種類があるが、今回「スカラネット」で受け付けるのは在学採用と大学予約採用となる。
 各校からの申し込みは、従来どおり正規の奨学金申し込み手続きを行ったうえで、「スカラネット」のテスト申し込みを行う。奨学金の種類には第一種奨学金と「きぼう21プラン奨学金」(第二種奨学金)があるが、この二つの種類の申し込みに偏りがないよう調整する。
 パソコンの入力にあたっては、誤入力などのトラブルを避けるため、今月中旬に各校に送付される予定のスカラネット下書き用紙にあらかじめ記入、申込者本人が内容を確認したうえで、学生本人または学校のパソコンから入力する。こうして各校から申し込まれたデータは日本育英会のデータベースサーバーに蓄積される。各校はこのサーバーからダウンロードすれば、自校の申込者データをパソコンに取り込むことができる。
 また現在、日本育英会では奨学金申込者データのチェック・修正・削除、認定所得金額の再計算、申し込みデータの追加入力、申込者の順位付けなどが実行可能な選考ソフトを開発中。六月下旬までに作成、各校に提供される予定だ。
 インターネットの利用となるとセキュリティーが問題となってくるが、SSLという方式を採用してデータを暗号化して相互にやりとりをする。かかる時間も短くして、万全を期すという。
 日本育英会の平成十三年度予算によれば、同年度の奨学金貸与人員約七十五万人のうち新規採用は二十三万人。いずれはこの人数の二倍強となる五十万人がこの方式で申し込むことができる体制をつくりたい、と日本育英会では話している。
 今回の「スカラネット」試験実施について、日本育英会は電子メール、または同会のホームページで問い合わせに応じている。ホームページアドレスは次の通り。
 http://www2.fa.ikuei.go.jp/info/

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