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記事2001年4月3日 9号 (1面) 
短大振興議員連盟総会
中教審に短大関係委員を
文科省に振興室設置など提言


 自由民主党の短期大学振興議員連盟(会長=尾身幸次衆院議員)は三月二十一日、東京・永田町の党本部で第二回総会を開催した。同議連は昨年十二月に設立総会を開いて三点の要望事項を取りまとめ、文部科学省にその実現を働き掛けてきたが、その検討結果について同省から報告を受けた。また、出席した議員からは「文部科学省内に短期大学振興室の設置を」「中教審大学分科会に短大関係者の委員を加えるべきだ」「経常費補助を中心に短大にもっと補助金を」などと、短大振興に向けた提言が出された。
 総会には同議連メンバーのほか、短大関係者として川並弘昭・日本私立短期大学協会長(聖徳大学短期大学部理事長・学長)ら、文部科学省からは工藤智規・高等教育局長らが出席した。議連では設立総会で(1)学校教育法六九条の二「短期大学の目的」を廃止して五二条「大学の目的」に一本化する、短期大学を「大学の準学士課程」など大学として位置づける、という短期大学の制度的位置づけ(2)大学審議会答申に盛り込まれた「正規の学生としてのパートタイム学生」の受け入れの推進(3)短期大学卒業者の学位授与に当たっては、大学における十六単位以上の修得義務の改善を図るの三点からなる要望事項を取りまとめた。このうち三点目については議連の要望通り、十六単位修得の要件を廃止し四月一日から施行となることが工藤高等教育局長から報告された。一点目と二点目についても中教審大学分科会の中で検討してもらうと回答した。
 短期大学の位置づけ問題については大学審議会の時から日短協が要望していた問題だけに、小坂憲次衆院議員がその実現について具体的な年限を回答するよう文部科学省側に求めたが、明確な回答は得られなかった。短大への大学入試センター試験開放については「制度的には何の妨げもない」とし、できるだけ早く条件整備を進めていきたい、と回答した。
 日短協の代表として出席していた川並会長は、短期大学卒業者の学位修得における要件廃止が関係者にとって大きな励みとなったとし、「短期大学の特色を打ち出していきたい。(要望事項を)ご討議いただき、実現させていきたい」と述べた。坂田正二常任理事(広島文化短期大学理事長・学長)は「高等教育の普及・拡大こそ短期大学の使命」と、パートタイム学生の受け入れ推進に理解を求めた。
 出席議員からは口々に今後の短期大学振興に向けた具体的提案が出された。岸本光造、吉田六左エ門、佐藤剛男の各衆院議員は、高等教育行政により短期大学の意見が反映できるよう、文部科学省内に「短期大学振興室」の設置を、また、中教審大学分科会の委員に短大関係者の委員を加えるべきだと提言した。さらに佐藤衆院議員は短大に対する経常費補助を増額すべきだと指摘した。また、大野松茂衆院議員は短期大学の学科の改組転換がよりスムーズに行えるよう、認可審査のさらなる簡素化を図るべきだとした。これらの提言については五月に予定されている議連の次期総会で改めて検討される。

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