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記事2001年4月23日 11号 (3面)
カリキュラム改革を推進
医・歯学教育在り方会議が報告
臨床実習を見学型から診療参加型へ転換
総合的な教育改革のモデル示す
「医学・歯学教育の在り方に関する調査研究協力者会議」(座長=高久史麿・自治医科大学長)は三月二十七日、今後の医学・歯学教育のカリキュラム改革の在り方や臨床実習をこれまでの見学型から診療参加型へと転換させるべきだとする報告書をまとめた。また、同日、「学士を対象とする医学・歯学教育の在り方に関する調査研究協力者会議」(主査=鈴木章夫・東京医科歯科大学長)が学士編入学制度の拡大などを提言した報告書を発表しており、総合的な医学・歯学教育改革のモデルが示された。 「医学・歯学教育の在り方会議」がまとめた報告書では、医学・歯学生が卒業までに学んでおくべき知識や技能、態度に関する教育内容を精選した国公私立大学共通のモデル・コア・カリキュラムに従って各大学がカリキュラム改革を進め、患者とのコミュニケーション能力の育成や安全管理教育など医師・歯科医師としての素養教育の質的充実、学生の志向に対応した教育プログラムの提供などに努めるべきだとした。 教育能力・体制の改革も併せて進めるべきだとし、各大学におけるFD(ファカルティ・ディベロップメント)の実施回数の増加と対象拡大、全国的なFDワークショップの開催、教員の教育業績評価ガイドラインの策定を提言。 また、診療参加型の臨床実習(クリニカル・クラークシップ)を行っている米国の医科大学を卒業した学生と比べ、臨床能力に格差があるとして、わが国の大学でもこれを行うべきだと指摘。各大学の共用の臨床実習前の試験、診療参加型臨床実習ガイドラインを策定し、学生に幅広く質の高い臨床能力を身につけさせるべきだとした。 一方「学士を対象とする医学・歯学教育の在り方会議」の報告書は、医学部・歯学部への学士編入学を拡大することによって、他分野の学問を修得した人間性豊かな人材の確保が図れるメリットがあると指摘。 入試やカリキュラム整備の推進、学士編入学生が円滑に学習を行うことができる教育体制の整備、編入学制度定着後の再評価の実施などを行うべきだと提言した。
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