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記事2001年4月13日 10号 (1面) 
「規制改革推進三か年計画」策定
教育研究機能を世界水準へ
私立小・中学設置・インターネット高校促進
 政府は三月三十日、新たな「規制改革推進三か年計画」を閣議決定した。これは日本新生のための構造改革で、教育・研究分野についても四十四項目の規制改革事項と実施予定を盛り込んでいる。教育・研究分野に関しては、産業構造の変化や教育サービスを受ける個人の欲求への迅速な対応といった需要側の視点に立っての教育システムづくり、大学や大学院の教育研究機能を世界水準に高め、創造的な人材を育成するための競争的な環境整備、産学官の連携を規制改革の基本方針としている。
 この中で特に初等中等教育については、児童・生徒の能力・適性に応じた教育機会の提供を推進するため、学校の個性化と学校選択の拡大、個性豊かで質の高い教員の確保等、また大学等については、競争的な環境の下で、運営の自主性・自律性の向上の方針を強調している。

学科新設、定員変更
届出制化を検討

 今回の四十四項目の改革は、児童・生徒・学生が自らの能力や適性に応じて多様な教育が受けられる教育システムづくりの前提として行われるもの。こうした方向での教育システムの抜本的見直しについては、規制改革委員会に代わって四月中に発足する「総合規制改革会議」(委員十五人)で検討される。個別の項目については国会に関係法案が提出されるなど実施中のものもあるが、今後検討が予定されている主な項目は次の通り。

 ▽義務教育段階で不登校児童生徒の学習支援のため一定の要件を満たす民間事業者により設立運営される教育施設での教育活動については、市町村教育委員会や学校長の判断により学校との緩やかな連携の下で学校教育を補完するものとして扱うなど弾力的な運用を行う。(平成13、14年度検討・14年度結論)

 ▽障害のある児童生徒の就学で早期からの教育相談の充実や教委の指導体制の整備充実を図る。(同)

 ▽多彩な教育理念に基づく私立の小・中学校の設置が促進されるよう、小・中学校の設置基準を「小学校設置基準」「中学校設置基準」のように明確に示す。(13年度中に検討・結論)

 ▽学年を超えた習熟度別学習の実現(13〜15年度検討・15年度結論)

 ▽高校卒業段階における習熟度を客観的に評価する学力評価基準や評価方法の具体的な検討を進め、高校卒業と同等の学力を認定する試験(同)

 ▽インターネット等を用いた高校教育の促進(13、14年度検討・14年度結論)

 ▽大学院における通信制博士課程の設置(同)

 ▽私立大学が大学の責務として財務状況を公開する方法や内容等の検討(同)

 ▽大学の学部の収容定員の範囲内における学科の新設・改廃、学科定員の変更について、届出制の導入を含め現在の認可制度を改める。このことは、十三年度中に有識者等による専門的な調査検討の結果を整理した上で十五年度までに結論を得る予定の国立大学の独立行政法人化の検討と並行して検討し、結論を得る。情報公開や評価などの事後チェックが全体として実効的に機能させる方途についても合わせて検討する。

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