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記事2001年3月23日 8号 (7面) 
船出を祝う励ましの声
 卒業式のシーズンを迎え、各私立学校では幼、小、中、高、短大、大学、専修学校にいたるまで、各校が特色を生かした卒業式が行われた。学舎を巣立つ若人は恩師の温かい教訓をかみしめながら希望に胸をふくらませ、新たな道へ旅立った。


意欲と熱意で挑戦 武庫川女大附属高校小川校長

 武庫川女子大学附属高校(小川修一校長、兵庫県西宮市)の第五十三回卒業証書授与式が三月三日、同校の公江記念講堂で行われた。小川校長は式辞として「高校生活で心の宝石箱にたくさんの宝物が詰まっていること」を願い、(1)友達を大切にし、新たに友達をたくさんつくること(2)国際感覚に磨きをかけること(3)何事にも意欲と熱意を持って挑戦することの三つのメッセージを卒業生五百八人に贈った。
 日下晃・武庫川学院長は両親に心からありがとうという意思表示をしてほしいと卒業生に語り掛け、「これから新しい生活が始まります。将来を輝かしいものにしてほしい」と祝辞を述べた。在校生総代として、金佐紀さんは「先輩たちは学校行事には人一倍胸を熱くされた。『無限大』をテーマにした創作ダンスは素晴らしかった。躍動感あふれるダンスは今でも目に焼き付いています。伝統と校風を守る自分をしっかり持って、活躍してほしい」と卒業生に呼び掛けた。
 また卒業生の総代として、長谷川匡子さんは「掛け替えのない多くの思い出と仲間を与えてくれた。旅行、創作ダンス、文化部発表会などの学校行事は感謝と感動でいっぱいです。人生で最も価値のあるものは出会いです」と、別れを惜しみながら答辞を述べた。


生き生きと生きよ 文華女子高校萩野校長

 文華女子高校(萩野泰男校長、東京都西東京市)の第七十六回卒業式学事報告が三月十日、同校で実施され、百七十八人の卒業生はそれぞれ新しい道へ巣立っていった。
 加藤毬子・日本文華学園理事長学園長の校訓の朗読に続いて、卒業証書および、理事長、優等、文の華などの各賞の授与が加藤理事長学園長と萩野校長から行われた。
 萩野校長は式辞として、「質実」「貞純」「勤勉」の建学の精神の下に三年間の課程を修了したことを祝福し、「本校で学んだ学習体験を貴重な青春の一ページとして生き、社会の動向を見極め自立した生き方をしてほしい。たとえ困難に遭っても自己を磨く試練と考え頑張ってほしい」と激励し、「生きている間は生き生きと生きよ」(ゲーテ)の言葉をはなむけに贈った。
 加藤理事長学園長は祝辞の中で、心に深く刻まれたこととして、九州への修学旅行の際、生徒たち全員から絵はがきをもらったことを挙げ、「心の豊かな人間性が身についており、素直な心が表現されている」と感慨深く語り、「自信と誇りを持って二十一世紀に出発してほしい」と述べた。
 また、川染ユリカさんは送辞の中で「新入生として入学した時の、花束と入学おめでとう、という言葉は私たちの不安を吹き飛ばしてくれました」と感謝の言葉を述べた。
 卒業生を代表して桜井麻衣さんは、三年間の学校生活を振り返り、「私は勇気と挑戦する力をここで得ました。また必ず来校したい」と力強く述べ、新しい第一歩を踏み出していった。


一隅照らす生き方 駒込高校末廣校長

 駒込高等学校(末廣照純理事長・校長、東京都文京区)は三月三日、同校体育館で平成十二年度卒業式を行い、三百八十四人の卒業生を送り出した。同校は天台宗の開祖・伝教大師最澄の「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」を建学の精神に掲げる仏教系の高校。
 末廣校長は式辞の中で「いまは人間とはどう在るべきかという価値観が混迷している。どうすれば生きがいある人生を送れるか。それぞれの可能性を生かす努力をしてほしい」と卒業生を励ました。そして、どこにいてもいつも主体的な取り組みをすればそこが理想の場となるという「随処に主となる」「一隅を照らす」生き方をしてほしいと述べた。卒業生を代表して別れの言葉を述べた伊藤伸浩君は、「二十一世紀を平和で明るい社会にしていくのは私たち若い世代の仕事。高校生活で学んだことを基礎とし、目標をもって生活していきたい」と、これから始まる新しい生活に胸をふくらませた。
 同校は大正十四年創立の伝統ある高校。高い進学実績を誇るとともに、クラブ活動も盛んで、この日の卒業式でも三年間それぞれの分野で成果を上げた生徒が数多く表彰された。

武庫川女大附属高校


文華女子高校


駒込高校

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