こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2001年3月23日号二ュース >> VIEW

記事2001年3月23日 8号 (7面) 
新校長インタビュー (21) ―― 東京文化中学校高等学校
校長 中本 孝氏
教員も生徒から授業評価
学校は生徒が主役
 東京文化中学校高等学校(中本孝校長、東京都中野区)の創立者、森本厚吉氏は「女性が社会の中で活躍できなければ、日本は豊かにならない」とし、文化的生活を営むには、生活の中心を担う女子教育の充実こそ急務と考えた。
 中本校長は「ここでいう文化とは実生活を合理的に行い、豊かで安定した幸福な社会そのものなのです」と説明する。
 同校は二十年前から学校週五日制を導入し、ゆとりある教育を先取りしてきたが、平成十三年度からは土曜日を補習や講習などに充てる。
 「生徒には一層勉強し、精一杯生活する中で、満足感を得て、それが自信となり、自信がゆとりだと知ってほしい」
 昨年四月、校長に就任、十三年度の教育計画について方針を語った。
 「学校の主役は生徒ですから、生徒が満足するような学校につくり変えていく必要があります」
 勉強などの面では生徒の方からもっとやりたい、という声が上がるようになってきた。生徒が満足する学校を目指すために、建学の精神を基に生徒の声を聞きながら進めていく必要がある。中本校長は月一回、生徒会の役員と自由に話し合う機会を持つようにしている。
 教員も生徒が主役であるという意識を持ち、生徒からの授業の評価を受ける。学期に一回は必ず評価してもらうことも決まっている。授業評価は教員の実力が試されることだが、「これによって教員の意識が高まり、生徒が喜ぶ授業になる」と期待をかける。
 また教員には今までの自分の経験だけで学校を紹介をするのではなく、同校の教育方針と、特色を理解して説明できるようにしてもらうことにした。「教員はもっと愛校心を強くもち、学園のプロ教師になるべきだ」と指摘する。
 十四年度から六カ年の一貫教育の新カリキュラムを実施する。中学一年から高校二年までの五年間は、すべての生徒が多くの分野を勉強できるように必修とし、最後の高校三年生は自己の進路を考えて選択科目を多く採り入れるカリキュラムにしている。
 「親と子が一番望んでいるものを的確に把握し、それを身につけさせることが重要だと思います。もっと勉強をし、多くのことを理解し、その知性で国際社会を変えていく力となってほしい。たとえ家庭に入っても同じことで、家族を幸福にする活動的な人になってほしいと思います」
 新渡戸稲造・初代校長の「太平洋の架け橋になれ」を心掛ける。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞