昭和三十二年から四十七年に製造された業務用蛍光灯等の安定器に人体に有害とされるＰＣＢ（ポリ塩化ビフェニール）が含まれているものがあり、昨年、都内の公立小学校でその安定器が破損しＰＣＢ絶縁油が小学生に付着するという事故が起きた。
　これを受けて文部科学省では、昨年十月二十六日付で各都道府県や私立大学等にＰＣＢ使用照明器具の点検・調査、早期交換、適切な保管等の徹底を依頼しているが、私立学校におけるＰＣＢ使用照明器具の交換を早期に完了させるため、平成十三年度に限りＰＣＢ使用照明器具の交換工事に対する補助を行うこととし、二月下旬、学校法人や都道府県に補助金に関する計画調書等を通知した。
　同省が昨年末に行った実態調査では、全国の私立学校の九・三％に当たる千五百八十六校に合わせて約十九万台のＰＣＢ使用照明器具があることが分かった。
　ＰＣＢ使用照明器具の交換工事への補助は、大学等の場合、私立大学・大学院等教育研究装置施設整備費補助の「私立大学等防災機能等強化緊急特別推進事業」により対応する。
　補助対象は、（１）照明器具購入費を含めたＰＣＢ交換事業経費が四百万円以上であること、（２）平成十三年度中の事業として整備が行われることが必要。ただし運送費、調整費、試験費、消耗品費等に係る経費、未完成の学部学科等に係る経費等は補助対象とはならない。補助率二分の一以内。
　なお事業経費が五十万円以上四百万円未満の場合は、照明器具購入費に限り、私立大学等経常費補助金（特別補助）の「高等教育研究改革推進経費」で措置される予定。
　また、私立高等学校等に関しては、平成十三年度に限り私立高等学校等施設高機能化整備費補助において補助対象としており、私立の高校、中等教育学校、中学校、小学校、特殊教育諸学校の校舎等を対象施設としている。
　補助対象はＰＣＢ使用照明器具の交換に直接要する工事（照明器具を含む）及びこれに付帯する工事で事業経費が四百万円以上、二億円以内で平成十三年度中の整備事業であることが必要。補助率は三分の一以内。