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記事2001年2月3日 3号 (7面) 
新校長インタビュー (16) ―― 跡見学園中学校・高等学校
校長 川島 宏 氏
心の豊かさ育てる本物教育
国際化社会に対応


 跡見学園中学校・高等学校(東京都文京区)の新校長に川島宏・元生徒指導主任が昨年の四月、就任した。
 同学園は今年一月、創立百二十六周年を迎え、花蹊精神を継承しつつ、これからの国際化社会に対応でき、主体的に生きていける知性と情操豊かな品格ある人間を育てることを教育の目標としている。
 「時代の先覚者として生きよ」という花蹊精神に基づく教育を川島校長は、(1)本物に触れる教育(2)人間教育(3)国際理解教育の三点挙げる。
 同校はシドニー交響楽団、ロシア国立合唱団、プラハ国立オペラなど世界のトップレベルの音楽を鑑賞する一方で、日本の能や狂言、文楽・歌舞伎などの古典芸能に触れさせる。
 「生徒たちは一流の人やさまざまな個性と出会い、本物の芸術・文化に触れることによって、人間としての感性を磨き豊かにし、人格を培うとともに、知的刺激を受け、心の豊かさを育てるのが本物教育」と川島校長は説明する。
 同学園が創立以来行っているあいさつとして、「ごきげんよう」がある。
 「この言葉には跡見としての連帯感を持つと同時に、社会の一員としての意識を持ち、礼節を重んじ、人間に対する畏敬の念を表す意味が含まれています」と人間教育を語る。
 同校は国際理解教育の一環として、海外語学研修やネイティブスピーカーによる課外英会話教室を十コース開講している。
 十二年度から外国人留学生の受け入れもスタートし、イギリスから来た生徒も学んでいる。
 「国際理解教育の目指すところは、日本人としてのアイデンティティーをしっかりもち、グローバルな視点から自分をみつめ、社会や世界を考える人間を育てることです。そのために英語によるコミュニケーション能力を育て、異文化を理解し尊重する内なる国際化を高める指導に力を入れています」
 また跡見教育の特色を生かしつつ、これからさらに力を入れたいのが、進学指導だ。
 「それは生徒のもつ潜在能力と個性を最大限に伸ばし、自分の生き方、考え方を深める進学指導」だ。
 「高一より進路適性検査、進路説明会、学力テストなどにより、進路への意識を高め、自分の生き方を考え、社会から期待される人間像を考えます。大学受験を視野に入れたコース制のカリキュラムにより、基礎・基本の学力の徹底を図り、応用力をつけ、質の高い授業・補講などを実施して、効果的な進学指導を行っています」
 「学ぶことは視野を広め、思考力を深め、自己を啓発し、発見する糧となります。これからの社会を担い、次の時代を創るという使命感をもち、人間にとって大切なことと、大切でないことの判断ができ、また社会に対して、自分は何ができるかと、常に問う奉仕の精神と、共生の心をもって学ぶことが大切です。生徒会、クラブ活動などで自己を磨き、人間としてのあり方を考え、自分の力で理想、未来を切り開いていく女性になってほしい」と、川島校長は生徒にメッセージを贈っている。
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