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記事2001年2月3日 3号 (2面) 
教育宣言を採択 ”二〇〇〇年代の教育”目指し討議
日私小連幹部研修会
藤田広島県知事私学の特色ある教育を評価
世界の教育の先頭に



 日本私立小学校連合会(長谷川良昭会長=淑徳小学校理事長)は一月十八日から三日間、広島市東区の広島ガーデンパレスで平成十二年度(第四十五回)全国幹部研修会を開き、私立小学校長ら約九十人を集めて平成十三年度私学助成関係予算対策の報告や講演などを行った。また、二〇〇〇年代初頭の十年間における私立小学校の教育姿勢について「国際化、情報化等の進む社会を見つめつつ、個人の自由と人権を尊たっとび、真の世界平和と自然環境保全を願う人間を育成する」とうたった「2000年代の教育宣言」を採択した。
 開会式では昨年十一月四日に死去した人見楠郎・前会長の功績をたたえて黙とうをささげ、坂上敏子・日私小連副会長(城南短大附属小学校長)が「人見先生の志を受け継ぎ、研究会や研修会を立派にやりとげねばなりません」とあいさつ。続いて、来賓の藤田雄山・広島県知事が「私立小学校の建学の精神に沿う特色ある教育に敬意を表します。広島県でも義務教育ビジョンを掲げ、一人ひとりを大切にする教育に努めています」(代読=吉田禎一出納長)と祝辞を述べた。
 また、長谷川会長は懇親会のあいさつで「IT(情報技術)も外国語も共通に頭を悩ませる課題だ。我々は絶えず視野を広げ、世界の学校教育の先頭に立たねばならない」と語った。
 私学関係政府予算については武田博信副会長(トキワ松学園小学校長)が説明し、私立高等学校等経常費助成費補助金の平成十三年度国庫補助について児童一人当たり補助単価が三万七千八百八十円(前年度比九・五%増)となること、地方交付税単価は二十二万円台と予想されることを伝えた。
 さらに武田副会長は「大都市に比べ、地方の私立小学校の経営環境が厳しくなった」と指摘、堀越克明・日本私立中学高等学校連合会長(堀越高校長)の「私学の権益を正しく守ろう」という言葉を引いて予算対策強化を促した。
 このほか、長谷川会長の「21世紀における私学教育の実践」、上田宗嗣・茶道上田宗箇流家元の「桃山のうつくしき武将の茶」、高橋昭博・元広島平和記念資料館長の「私の被爆体験とヒロシマの心」の三題で講演が行われた。


教育宣言
小学校教育充実に国公立小とも提携


 われわれは、20世紀の日本の著しい社会的変化と科学技術の高度化が進展してきた時代の中で、建学の精神を堅守するとともに、小学校教育の先駆的な実践を世に問うてきた。  21世紀の開幕に当たり、われわれは国際化、情報化等の進む社会を見つめつつ、個人の自由と人権を尊び、真の世界平和と自然環境保全を願う人間を育成する。そのために、各学校における伝統を大切にしながら特色ある教育をさらに充実させ、私学間の協力体制を強化して、日本の新たな小学校教育の創造を目指すことを宣言する。
 われわれの決意
 私立小学校に生きるわれわれは、自校の建学の精神に徹して、その使命とする理想の教育を目指し、かつ日本の小学校教育の充実発展のために進んで担い手となり、もろもろの労苦を分かち合おう。
 われわれの教育
 私立小学校に生きるわれわれは、国民の要請と信頼に応えて、国家、社会を愛し、世界の平和と繁栄を求め、未来を切り開いていく国民の基礎的資質を育成しよう。
  われわれは、私学教育を力強く推進していくことによって、創造的な児童文化の開発を図り、児童の個性を尊重し、その可能性を伸長する方法を実践探求し、心身の鍛練された豊かな人間性を育成する教育に努めよう。
 われわれの協力
 私立小学校に生きるわれわれは、私学人としての自覚に立って相互に協力し結束を強め、教育実践についての研究研修を重ねて、常に自己を磨き高め合おう。また、国公立小学校とも提携協力して、日本の小学校教育の充実発展のための役割を果たそう。

二〇〇一年一月 日本私立小学校連合会

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